ミラー! (598)未来
泊っていたホテルをチェックアウトをし、芦屋の春斗の家に預かっていた未来を迎えに行く。優希や美紅は昨日のうちに、僕の養父母が連れて帰ったからね。
ある一室に、昨日招待客たちからプレゼントされたものが並べてあった。その確認だけでも結構時間がかかる。大きなものは、東京の自宅へ送ってもらうことにしよう。
「ほんま未来君はええ子やなあ…。」
と、春斗。ずっと玲奈ちゃんと仲良く遊んでいたらしい。玲奈ちゃんが離れないくらいだからね、相当玲奈ちゃんは未来が気に入ったのだろう。
「春斗伯父さん、雅美伯母さん、玲奈ちゃん、お祖母ちゃん、大変お世話になりました。」
と、未来はお気に入りのリュックを背負ってきちんと挨拶をする。その表情を見たおばあちゃんはとても喜んでほほ笑む。
おばあちゃんは、未来が僕の息子だってことをこの前にちゃんと話した。ちょっと複雑な顔をしていたけれど、僕の小さい頃によく似た未来をとてもかわいがってくれている。さっきも、未来を弐條の養子に欲しいなんて言ってたからね。でも、春斗には玲奈ちゃんがるし、まだ男の子が生まれる可能性だってある。二人はまだ若いんだし。
たくさんの荷物を抱えて、伊丹の自宅へ戻る。そして隊長のおうちへ3人揃ってあいさつ。もちろん隊長の奥さんはよろこんで、お茶とお茶菓子までごちそうになった。未来もとてもいい顔をしていろいろ話していた。
「奥さん、妻の事よろしくお願いします。4月上旬までこちらにいます。」
「ええ。とても楽しみにしていたのよ。よろしくね、美里さん。衛生隊の奥様達にもご紹介しないとね。あ、気になさらないで。みんなおおらかでいい人ばかりだから。まずはほかの中隊長や小隊長の奥様からご紹介しないとね。」
「よろしくお願いします。」
と、和やかに話をしている。ほかの中隊幹部の奥さんみんなはよく知らないけれど、うまくやってくれるといいな。まあ大丈夫でしょう。芯の強い美里だから。