ミラー! (594)再会! | 超自己満足的自己表現

ミラー! (594)再会!

 さあ始まる、結婚披露パーティー!某大きいカフェバーを完全貸し切りで行われる。3階建てのこのカフェバー。3階がパーティールームになっている。1階2階は更衣室&控室に使うんだ。


 司会は春斗。春斗とほかの幹事クラスのメンバーでパーティーが始まっていく。


「では、準備が整いましたので、陸上自衛隊医官遠藤春希3等陸佐と女優立花真里菜さんこと、美里さんの結婚披露パーティーを開始させていただきます!」


という合図で、BGMが流れ、富田君が指揮する有志儀仗隊数名がびしっと整列し、僕たちを迎える。ほんとこの1週間で仕上げたと思えないくらいの素晴らしさ。その前を僕が美里をエスコートして歩く。もちろん拍手喝さいで迎えられる。そして新郎新婦の席へつく。




「元特別儀仗隊小隊長であり、現フランス大使館防衛駐在官富田啓太3等陸尉指揮、有志による儀仗で迎えられました新郎新婦へ改めて温かい拍手をよろしくお願いいたします。」


さらに大きな拍手で僕らは照れながら挨拶をした。春斗による新郎新婦の紹介から始まり、仲人であり、統合幕僚長のあいさつ、さまざまな前座というか余興を楽しく見る。そして待ちに待った会食タイム。立食形式の会食で、やはりこういうのが好きだね、自衛官は。料理とか飲み物がものすごい勢いでなくなっていく。



その会食の間に、僕と美里は一人一人に挨拶をしていく。上司や部下、病院でお世話になった人。あと同期。みんな美里が相手だということに羨ましがる。美里は嫁にしたい有名人ナンバー1だからね。


「ほんと驚いたよ。クリスマスイブの報道!」
「そうそう。立花真里菜の相手が、遠藤だって!どこで知り合ったんだ?」


などとどこへ行っても聞かれることは同じ。さっき紹介しただろう。知り合ったのは妹の誕生会で、親密になったのはごく最近で…。ま、未来のことは内緒だけど…。うんざりするけど、しょうがないよね。にこやかに笑って対応する。


 そして、ある制服の男の子の前へ。確かに少年工科学校の制服を着ている男の子。どこかで見たことある。坂本保…。


「おめでとうございます!春希先生!僕の事覚えていらっしゃいますか?防医大で大変お世話になりました保です。」


防医大?保?もしかして…?


「もしかして白血病で入院していた保君?僕がよく君に昆虫の折り紙をプレゼントしていた?」
「はい!白血病を完治し、2年前に少工へ入校しました。将来父のような自衛官になりたくて、そして先生のような自衛官になりたくて。」
「そうか!もうこんなに大きくなったんだね。もう10年も前だもんな。早いね。」
「はい!今、防大か防医大を目指して勉強しています。全然先生変わっていなくて…。」
「そうかな?老けたと思うよ。保君だとはじめわからなかったよ。懐かしいな。でもどうしてわかったの?」
「実は…先生のお兄さんとお義姉さんから連絡がありまして、是非来ないかって。ほんと数日前なんです。」
「え?春斗と雅美が?」


そうみたいだね。たぶん雅美が保君の存在を覚えていて、探してくれていたんだろう。そして見つかってこうして誘ったみたいだね。ほんとありがたい。懐かしい人物に会って…。こんなにうれしいことはないよ。ありがとう…。