ミラー! (592)緊張! | 超自己満足的自己表現

ミラー! (592)緊張!

 会見時間。美里の事務所のスタッフが、ホテルの人間とともに誘導する。ほんと恥ずかしくてなんか俯いているのが自分でもわかる。



いくら元タレントだといっても、ああいうのは苦手だったし…。春斗が傍にいたから落ち着いて仕事してた節もある。春斗が傍にいないと…ほんとこういうのはダメ。やはりそういうところは1卵生の双子なんだよね。



後ろをふと振り返ると、父さんとともにこちらを眺めている春斗。春斗の姿を見るとなんだか急に落ち着いてきた。美里をエスコートして、会見の席へ。脱帽はしなくていいと聞いたので、深々と制帽をかぶり、美里の傍に1歩引いて立つ。あくまでも美里が主役。もちろん会場に着くなりすごいフラッシュで眩しいくらいだった。


美里の事務所側の司会者の誘導で、会見が始まる。はじめは美里中心に質疑応答みたいな感じで、時間が過ぎていく。プロポーズの言葉やら、何やらでほんとに赤面…。帽子をかぶっていて助かった。でも徐々に俯いてしまう。そして時折、父さんや春斗のほうを見る。春斗なんてジェスチャーでいろいろ指示している。その通りにしているこの僕。



そしてやはりあるんだよね。お子さんは?って…。もうすでに二人には3人の子供がいるわけで…未来は公じゃないけど二人の子。世間では二人の子供はいないことになっているからね…一人くらいは?ってことになるよね。子供が好きだから4人でも構わないけど…。で、美里の答えは…。


「そうですね。あと一人は欲しいです。特に女の子が欲しいですね。引退してから考えます。」


やはり女の子が欲しいのか。前々からいってたよね。


 やはり空気的に最後の記念撮影では帽子をとらないといけない状態。まあ言うあれよ。指輪を見せてにこっと…。帽子をスタッフに預けて、型どおりの記念撮影。顔が妙に強張っている。美里は最高の笑顔なのに。ほんとこういうのは苦手なんだよね。



何とか記者会見も終了し、退場。退場後の控室で、春斗ったらおなかを抱えて笑うんだ。


「ほんま笑える。春希の顔。」
「何がおかしいんだよ!」
「微妙に顔が…ひきつっててさあ…。俺のほうがまともにできるやん。」
「主役は美里だからいいんだよ。無事に終わったんだし。それよりも2次会頼むぞ。」
「了解了解。お前こそ、緊張でぶっ倒れんなよ。」


と言って春斗は出て行った。


ほんとあとは2次会かあ…そっちも違う意味緊張する。