ミラー! (588)船上挙式 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (588)船上挙式

 クルージング船で行われる、僕と美里の結婚式。3月3日の少し春めいた暖かい日。少し海風が肌寒いけれど、暖かい日で助かった。


船のデッキで行われる挙式。船長さんの立会いの下、人前結婚式が行われる。美里の後輩たちは、やはりはしゃいでいる。ま、若いから許されるけどね。そしてその集団を見つめる僕の部下。若いものたち周辺が異様に騒がしい。


 挙式が始まる。型どおりに事が始まり、淡々と過ぎてゆく。指輪の交換の後、誓いのキス。僕は制帽を預け、美里はしゃがみ、僕が美里のベールをあげる。そして絵にかいたような誓いのキスを交わす。そして僕たちは参列者に夫婦として認められる。二人で幸せのウエデイングベルを鳴らし、、挙式が無事お開きになる。


お待ちかねの独身女性によるフラワートス。独身女性のほとんどは美里側。一部、元職場の直属の部下がいるくらいで…。船の汽笛と同時に美里がブーケを投げる。ブーケは海風に流されながら、ある女性の元へすとんと落ちる。その子は美里の後輩ではなく、看護師の元部下。美里の後輩ほどじゃないけど、かわいらしいお年頃の25歳。美里側の招待客にあこがれの俳優さんがいるから是非といわれて、招待した子なんだよね。もちろん美里の後輩たちの視線はちょっと…。元部下も自然に落ちてきたものだから、驚いていたんだよね。こういうものはそういうものだと思う。


「よかったね、佐々木ちゃん。今年あたり彼氏できるよ、きっと。」
「え~~~できませんよ。今の仕事じゃ。でもうれしいです。」
「いや、大丈夫大丈夫。いつもの迷彩よりも今日の服はかわいいよ。女の子って感じで。」
「え~~~~!じゃ、迷彩姿はかわいくないって言うんですか?遠藤3佐!」
「いや、そうじゃなくて…その格好もかわいいなって思ってね。」


と、元部下との会話に微笑む美里。


実は後から知ったんだけど、美里ったら、この女の子を例の若手俳優に紹介しようと思っていたみたい。まだ下っ端の若手俳優だけど、有能だからって。もちろん彼女はいないらしいし…。


まあそれはいいとして、無事に挙式が終了する。あとは披露宴。これが楽しみなんだよね。自衛官の余興って面白いらしいから。あ、言っておくけど、羽目をはずすなって言ってある。品位を持てって。もちろん統合幕僚長がいるから、羽目は外せないだろうけどねえ…。