ミラー! (582)病院勤務 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (582)病院勤務

 僕は朝目覚め、適当に朝食を摂った後、自転車で自衛隊病院へ向かう。自衛隊病院の西側に官舎があるので、たくさんの自衛官とすれ違う。全く正反対の方向だからね。


「あ、遠藤3佐。今日うちのガキが診察に行きますのでよろしく。」
「え?どうしたの?」
「あ、大したことないですよ。ちょっと風邪気味でね。」
「風邪気味でもあの子は診察しないと。喘息の発作が出たら大変だから。」


と、ある陸曹とちょっぴり会話。これも自衛隊では有名な医官。3佐だけれども、みんな親しみをもって接してくれる。もちろん僕も誠意をもって接しているし…。


 病院の通用門から入り、更衣室で白衣に着替える。2月の風邪が流行るこの時期。内科と小児科は、普段よりも混む。特にこの僕の診察日はねえ…。案の定大半は風邪気味の子。民間病院よりも空いているからじっくりと診察する。もちろん常連自衛官妻もいるわけで…。ペラペラ世間話を聞かされることもある。


最近は特に2週間後に迫ったこの僕の挙式についてが主。はあ…って思いながら最後の患者のカルテを書きあげる。


「先生の非常勤もあとひと月ですね。」


と、看護師の陸曹が声をかける。


「うんそうだね。患者には内緒ね。この曜日一気に空くよ。」


と笑ってみせる。


「本当に残念ですね。実は小児科医が見つからなくて、内科医が兼務するんですって…。本当に小児科医が少ないですから…。」
「え?ほかの曜日に医官がいるでしょ?」
「ん…そうなんですけどね…。3月末で退官するらしくて…。ほかの大学病院で小児科としての腕を…。」


そっか・・・。それで院長は焦っておられたのかもしれない。本当ならここに常勤がいいけど…。一応僕は衛生隊管理中隊中隊長。週2回の病院勤務も中隊長付准尉にちょっと嫌な顔されているのに…。できればこのシフトがいいんだけどね…。でも精いっぱい病院勤務をがんばりますかね。