ミラー! (578)マスコミ嫌い! | 超自己満足的自己表現

ミラー! (578)マスコミ嫌い!

 大伯父さんが倒れたのと同じ日。というか、その後ね。マスコミ関係者が来るわけで…。どこから情報が流れたのか、立花真里菜の婚約者であるこの僕がここにいることがわかり、展示物ではなく、この僕ばかり撮影されているような気がする。ついにはあるマスコミに声をかけられる。


「遠藤春希さんですよね?立花真里菜さんとご結婚される自衛官の。」


う・・・やはり・・・。
逃げたいけど持ち場を離れるわけには行けないからねえ…。


「僕は遠藤春希ですが…すみません、仕事中です…。仕事と関係ないプライベートなことは、申し訳ありませんが、お話しできません…。」
「そこを何とか、お時間をください。休憩時間で構いませんから。悪い話ではありませんよね?ご結婚についてお聞きしたいだけですから。」


困り果てているときに、ちょうど様子を伺いに来た隊長が、そのマスコミに声を掛けてくれた。


「申し訳ありません。仕事中でございます。邪魔しないで頂けますか。彼はこの機材に関してのプロフェッショナルですから、常に100%の状態で仕事をさせてやりたいと思っています。ですので、彼の気分を乱すことはおやめくださいませんか?そしてここはそのような話をする場所ではありません。防災に関してお話しする場ですから。これ以上業務の邪魔をなさるようでしたら、運営事務局へご報告させていただきます。」


と言って威厳をもって対応する。


 何とかマスコミを追い払い、何とか仕事をこなす。やはり明日からの一般公開は、迷彩にしよう。災害時の迷彩に医官のオレンジ色のベストを着てね。ほんと疲れ切った状態で、駐屯地へ戻って、ベッドへ横になった。大叔父さんの容体がとても気になる。僕は春斗にメールを入れる。春斗は大叔父さんの奥さんと交代で付き添っているみたいだ。


やはり脳梗塞。もともと高血圧を持っておられたみたいだし…。軽度だったらしいけれど、当分入院して養生しなさいと政治活動はドクターストップ。もし大叔父さんに何かあれば、春斗は出馬を考えなければならなかったみたい。何とかそれはないみたいだ。しかし、大叔父さんは、病気療養を理由に、大臣職の辞職を申し出たみたいだね。もともと表立った所にいるのが苦手で、もともと姉であるおばあちゃんの公設秘書をずっとしていた人。おばあちゃんが政界引退し、交代で出馬したんだよね。でも何とか今まで頑張ってきた人だし、たぶんストレスがたまっていたんだろうね。日ごろはおとなしいやさしい性格の人だからね。