ミラー! (567)DVD | 超自己満足的自己表現

ミラー! (567)DVD

 仕事を終え、帰り支度。今日は仕事始めだけど、また週末だから僕は休み。家へ帰ったって、暇でしょうがないから、本当は制服のままではよくないんだろうけれど、近所にあるディスカウントショップへ寄って足りないものと、そこの近くにあるレンタルDVDショップへ向かう。見逃した映画とかを借りようかと思って。決してHなDVDではない。そういうのは借りたことない。マジで。恥ずかしくて借りる事ができないし・・・あまり興味がない。


レンタル屋の駐輪場へ自転車を停め、中へ入る。DVDコーナーの真正面にある特集コーナー。見慣れた写真が目に入る。それは・・・美里こと立花真里菜。


「立花真里菜さんご婚約記念特集!」


ちょっと・・・。で、ほかにはこうかかれている。女優立花真里菜さんが伊丹在住の幹部自衛官の方と婚約されました・・・とね。地元店舗としてお祝いしたいらしい。立花真里菜が出演しているドラマや映画のDVD、何年か前のグラドル時代のDVD(場所は違うけど)までおかれている。写真・・・。写真が問題だ。夏に発売された自衛隊雑誌の特集の写真を切り抜いてある。あれはちょうど僕と美里が隣り合わせだしね・・・。僕がPKO派遣用の帽子と迷彩に医官と書かれたベストを着ているもので、美里は女性自衛官の常装に衛生の職種章、そして一尉の階級章をつけたものを着ているものだ。


顔がマジ写っている・・・。僕は制帽を深々と被る。ささっと、お目当ての映画のDVDと、美里が出ていたDVDを一通り借りて会計を済ませる。店員さんの視線が気になるけど、僕は顔を真っ赤にして急いでその場を後にする。多分店員さんには素性がばれたかな・・・。絶対ばれてる。


 自宅へ戻り、借りたものを見てみる。計10本。美里関連が8本もある。その中にはグラドル時代のものが3本・・・。こういう系統は見たことない。もちろんこのDVDは未来が生まれる前のもの。美里と僕が衛生隊メンバーと合コンした頃かな?1本目は美里がグラドルデビュー作品。グラドルの前はティーンズ雑誌のモデルをしていた。18歳でグラドルへ転身。初々しい立花真里菜。やはり10代って感じで、スタイルはいいけど、今とは違う子供っぽい感じが印象的。定番の水着もある。なんかはじめてかわいい感じの美里を見た感じ。2本目、3本目はほんと大人になったって感じ。3本目なんて、僕が一番苦手な立花真里菜そのもの。ちょうどその時、美里からの電話。


「もしもし。」
「春希さん、今何しているの?今やっと子供たちが寝たの。」
「あ・・・DVD見てる。」
「何?何のDVD?」
「き、君の・・・。なんていうのかグラドル時代の・・・君の・・・DVD。」


すると美里が電話の奥でかすかに笑っている。僕はDVDを借りた経緯を話す。するとさらに笑う。


「3本のうちでどれが一番いい?3本目は却下でしょうけど?」
「ん・・・。18の時の君が一番かわいいかな・・・。純粋そうで・・・。今の美里に近いかも・・・。でも・・・。」
「でも?」
「今の美里が一番綺麗だよ。」
「まあ・・・。春希さんったら。あと何借りたの?」
「ドラマも映画も借りた。」
「じゃ、今度会った時に感想を聞かせてね。明日は優希君の入塾テストの日だから、お弁当作らないと・・・。じゃ、寝るね。」
「うん、優希にがんばれって言っておいてよ。お休み、美里。」
「おやすみ・・・。」


と、電話を切る。そして大好きなアイスをつつきながら、DVDの続きを見た。