ミラー! (562)婚前旅行?
婚約者美里の仕事も終わり、家族そろって石川県加賀市にある、養父の実家へ出かける。養父の実家は、代々続く温泉旅館というかホテル。温泉街でも1、2を誇る規模と人気。年末年始の予約はもういっぱいで、養父のコネで取れたいい部屋。部屋風呂があるんだもんね。なかなかこの僕でも泊まったことがない。隣の部屋は、僕の養父母が泊まっている。今年の仕事が終わってからここで休暇をとっているのと、僕の婚約者を親戚に紹介しなければならないということで、今年はここに家族一同で泊まっている。大きなホテルと部屋風呂に、子供たち3人は大はしゃぎ。ここなら美里もゆっくり温泉気分を味わえる。大浴場もあるけど、やっぱり美里は女優立花真里菜。人の目があるから、ゆっくりできないだろうね。仕事の都合で、1泊しかできないのが残念だ。
旅の疲れを温泉で癒したあと、宴会場を貸しきって、加賀市近郊にいる遠藤家親戚一同が集まって、忘年会。そしてこの僕の婚約者の美里が紹介され、そして未来も紹介される。あくまでも彼女の連れ子としてね。今のところ、実の親子関係は秘密となっている。温泉業を営む親戚と、県議会市議会議員といった政治家をしている親戚。これだけの親戚が集まったのは初めてかもしれないね。といっても彼らとは血が繋がっていない。だって僕は養子息子。でも今まで遠藤家の息子として扱われていた事には違いなく、これから政治家筋の遠藤の名を汚さぬように、いつかは政治家の道へ進まないといけないと思い知らされた大晦日だった。
次の日はチャックアウトまでゆっくりして芦屋へ向かう。芦屋は弐條本家があるところ。毎年行っている新年の挨拶日。親戚縁者が集まるのは2日だけど、今日はおばあちゃんにきちんと彼女を紹介しておこうと思った。既に弐條家当主の春斗は、玲奈ちゃんや雅美とここにいて、くつろいでいる。なんだかんだ言ってここの邸は春斗のもの。春斗が正真正銘の弐條当主なのだ。
加賀で買ってきた手土産を雅美に渡し、おばあちゃんへ挨拶。おじいちゃんを亡くし、3回目のお正月。やはりお爺ちゃんがいないとなんか弱って来ているのが目に見えてわかる。最近ちょっと耳が遠いみたいだ。
「おばあちゃん、こちらが、僕の婚約者の立原美里さん。そして息子の未来君。今年の3月3日に、神戸で結婚することになりました。」
「そう・・・あなたが美里さんね。春希のこと、優希や美紅のこと、頼みましたよ。」
そういうと微笑んで自分の部屋へ戻っていった。
「ほんま最近ばあちゃんおかしいやろ。あんなにしっかりしてた元総理大臣のばあちゃんやのに・・・。」
と、春斗がため息。
「でさ、俺、玲奈と一緒にここへ移り住もうかと思ってるんや。雅美には悪いけど・・・。ばあちゃんには俺しかおれへんやろ。響伯父さんは当てにならんし、といって美咲伯母さんは美濃の人間や。いくらこっちにいる春希に頼んでも、春希は仕事で忙しいし・・・。玲奈がいるとばあちゃんも違うと思うんや。生きる張り合いが出ると思うんや。雅美もそのことに同意してくれてな。雅美は雅美の両親の家にお世話になって、俺は玲奈と共に芦屋で住む事にした。玲奈も今年で小学生。ちょうどキリがいい。俺が通っていた神戸の小学校の受け入れも決まってさ、何とかなるやろ。あの学校には音楽専攻がある。学力は他の子に比べたらずいぶん劣るやろうけど、ピアノに関しての能力は、学校もお墨付きや。音楽専攻のクラスへ入学できる事になったし、学力に関しては特別学級もある。だから、心配あらへん。東京よりはいい環境かもしれんし。な、雅美。」
「うん。私も出来るだけこっちの部隊へ希望出しているの。運がよければ、阪神病院の産婦人科へいけるかもしれない。おばあさまのため、玲奈のため。ちょうどいい機会だと思うのよね。」
と、春斗と雅美はお絵かきをしている玲奈ちゃんを見つめて微笑む。ほんと今回の年末年始は、驚きいっぱいだった。ま、春斗がそう決めたのであれば、それでいいんじゃないかと思う。僕も色々大変だけど、同じ弐條の血が流れているし、助ける事があれば助けたいと思う。
旅の疲れを温泉で癒したあと、宴会場を貸しきって、加賀市近郊にいる遠藤家親戚一同が集まって、忘年会。そしてこの僕の婚約者の美里が紹介され、そして未来も紹介される。あくまでも彼女の連れ子としてね。今のところ、実の親子関係は秘密となっている。温泉業を営む親戚と、県議会市議会議員といった政治家をしている親戚。これだけの親戚が集まったのは初めてかもしれないね。といっても彼らとは血が繋がっていない。だって僕は養子息子。でも今まで遠藤家の息子として扱われていた事には違いなく、これから政治家筋の遠藤の名を汚さぬように、いつかは政治家の道へ進まないといけないと思い知らされた大晦日だった。
次の日はチャックアウトまでゆっくりして芦屋へ向かう。芦屋は弐條本家があるところ。毎年行っている新年の挨拶日。親戚縁者が集まるのは2日だけど、今日はおばあちゃんにきちんと彼女を紹介しておこうと思った。既に弐條家当主の春斗は、玲奈ちゃんや雅美とここにいて、くつろいでいる。なんだかんだ言ってここの邸は春斗のもの。春斗が正真正銘の弐條当主なのだ。
加賀で買ってきた手土産を雅美に渡し、おばあちゃんへ挨拶。おじいちゃんを亡くし、3回目のお正月。やはりお爺ちゃんがいないとなんか弱って来ているのが目に見えてわかる。最近ちょっと耳が遠いみたいだ。
「おばあちゃん、こちらが、僕の婚約者の立原美里さん。そして息子の未来君。今年の3月3日に、神戸で結婚することになりました。」
「そう・・・あなたが美里さんね。春希のこと、優希や美紅のこと、頼みましたよ。」
そういうと微笑んで自分の部屋へ戻っていった。
「ほんま最近ばあちゃんおかしいやろ。あんなにしっかりしてた元総理大臣のばあちゃんやのに・・・。」
と、春斗がため息。
「でさ、俺、玲奈と一緒にここへ移り住もうかと思ってるんや。雅美には悪いけど・・・。ばあちゃんには俺しかおれへんやろ。響伯父さんは当てにならんし、といって美咲伯母さんは美濃の人間や。いくらこっちにいる春希に頼んでも、春希は仕事で忙しいし・・・。玲奈がいるとばあちゃんも違うと思うんや。生きる張り合いが出ると思うんや。雅美もそのことに同意してくれてな。雅美は雅美の両親の家にお世話になって、俺は玲奈と共に芦屋で住む事にした。玲奈も今年で小学生。ちょうどキリがいい。俺が通っていた神戸の小学校の受け入れも決まってさ、何とかなるやろ。あの学校には音楽専攻がある。学力は他の子に比べたらずいぶん劣るやろうけど、ピアノに関しての能力は、学校もお墨付きや。音楽専攻のクラスへ入学できる事になったし、学力に関しては特別学級もある。だから、心配あらへん。東京よりはいい環境かもしれんし。な、雅美。」
「うん。私も出来るだけこっちの部隊へ希望出しているの。運がよければ、阪神病院の産婦人科へいけるかもしれない。おばあさまのため、玲奈のため。ちょうどいい機会だと思うのよね。」
と、春斗と雅美はお絵かきをしている玲奈ちゃんを見つめて微笑む。ほんと今回の年末年始は、驚きいっぱいだった。ま、春斗がそう決めたのであれば、それでいいんじゃないかと思う。僕も色々大変だけど、同じ弐條の血が流れているし、助ける事があれば助けたいと思う。