ミラー! (550)兄の変貌 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (550)兄の変貌

 お次は少し遅れて春斗一家。航空自衛隊医官を辞めて約4ヶ月の春斗。やめてすぐになんか、主夫しながら、仕事を始めたらしい。何かは知らないけれど・・・。


「遅れてごめん!」


と、はいってきた春斗の姿に驚く。医官のときは結構髪型をピシッとしていたんだけど、前と横髪を伸ばして、今時の髪型にしている。後ろもちょっと長い。ま、格好はいつもながら、モデル顔負けに着こなすお洒落さん。


「おじたん!」


と、軽い自閉症を持つ玲奈ちゃんが、僕めがけて走ってくる。春から小学1年生。公立小学校の特殊学級入りが決まっている。6歳だけど、言葉は4歳くらいかな?遅れている。文字の読みはできる。しかし書けない。絵も普通の6歳児よりは劣る。しかし、ピアノの腕はとてもすごく、先日の発表会では、6歳児では弾けない曲をさらっと弾いたらしい。ピアノに関して超天才児。最近預けている公立幼稚園でも、自由時間、先生のピアノを借りて、ピアノばかり弾いているらしい。


玲奈ちゃんは家族以外では、僕にだけよく慣れている。やはり春斗と同じ遺伝子だからかな。


 リビングで、美里と春斗家族が対面する。


「春斗、雅美。フィアンセの立原美里さん。」


と紹介すると春斗は初対面ではない感じ。もちろん美里も。


「美里、春斗に会ったことあるの?確か高校時代さえ会ったことないと思うけど?」


すると春斗が先に言う。


「あ、今やってる仕事のパートナーやから。2ヶ月前から組んで仕事してるんや。」


へ?仕事?仕事ってリュヌのモデルだよね。すると春陽が話に割り込む。


「ああ、春斗ね、モデルの仕事を再開したんだよ。リュヌの専属モデル。パパがね、真里菜ちゃんの相手役に抜擢したんだよ。春斗はスタイルいいしねえ。真里菜ちゃんとの身長差も丁度いいからって・・・。あと、ギャラも安い!新人扱いのギャラだしね。パパも考えたね。」


はあ?


「ま、立花さんはさ、春希と俺の違いをちゃんと言い当てたさ。ミラーであることとか、あと性格の違い、好みの違い。普通なら俺たちをぱっと見て区別はできんやろ?髪の毛の分け方とか以外はさ。」


といって笑う。


「ま、冗談でちょっと甘い声をかけたんやけど、無視されたしなあ。それだけ春希への愛はすごいっちゅうことやね。な?立花さん。」


美里は苦笑。雅美は冗談でもそういうことをしないでって怒っている。って言うことは、クリスマスイベントに、春斗がモデルとして出るって事だよね。なんか髪型をかえたら、僕と美里がでているみたいじゃないか?ちょっと笑ってしまったんだよね。クリスマスイベントに楽しみができたよね。