ミラー! (544)彼女の復縁否定 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (544)彼女の復縁否定

 二人で寄り添いながら眠り、朝を迎えた。今日僕は残念ながら出勤しないといけないから、美里が作ってくれた朝ごはんを食べながら、身支度を整える。美里はいろいろテレビが気になるようで、関西ローカルの朝の情報番組に釘付け。特に今日は金曜日。金曜日の芸能ニュースはとても濃いものだから、美里はじっとテレビを見つめていた。やはり立花真里菜についての話がメイン。沿道秀樹の話とずいぶん食い違う事にマスコミも大騒ぎ。どちらが正しいのか取材している最中に入った立花真里菜サイドからのFAX。


『今回の報道に関して、ご報告がございます。当社所属タレント、立花真里菜は、沿道秀樹氏との復縁は一切ないということです。いち友人としてのお付き合いと聞いております。現在立花真里菜は、結婚前提に交際している一般の男性がいると報告を受けております。報道にあります、関西での目撃情報は、その交際相手ではないかと、立花真里菜が断言しています。沿道秀樹氏との復縁は、一切ありえませんので、宜しくお願いいたします。立花真里菜は、来春の結婚そして完全引退へ向けて、現在仕事内容を調整している最中であります。お相手が一般の方でありますので、これ以上の取材は控えていただきますよう、宜しくお願い申し上げます。時期は未定ですが、発表の準備が整い次第、記者会見を行います。』


と、事務所からのFAXを読み上げられた。


美里はきちんと発表された事に胸をなでおろす。でもまだまだ様子を見ないとね・・・。きっと相手が誰なのか探っているだろうし・・・。


「春希さん、ごめんね・・・。」
「いいよ・・・。君を選んだのはこの僕だし、いずれこうなるだろうしね。」


身支度が完了し、カバンをもって玄関へ向かう僕に、彼女は後ろから抱きついた。


「行ってらっしゃい。春希さん。」
「うん、行ってくる。今日は午後から病院だから、夕方帰るね。美里は東京へ戻るの?それともここにいる?」
「ん・・・。週末、一緒に過ごして、東京へ戻る。できるだけ春希さんと一緒にいたいから・・・。いい?」
「うん、いいよ。年末年始の計画も立てないといけないし・・・。あと4ヶ月で結婚だよ。だからその準備もね・・・。年末年始は挨拶回りで忙しいと思うから、予定空けておいてね。僕も冬期休暇早めにとるから。」


彼女は頷き、手を振ってこの僕を送り出してくれた。このまま騒ぎが収まってくれたらいいなあと思いながら・・・。