陸曹クン 27話 悲しい・・・

悲しい悲しい・・・
父は、あの後すぐに、呉へ旅立ったらしくて、音信不通・・・
その上、菜々ちゃんには着信拒否された。
週末になると広居さんが面会へ来る。
もちろん僕はこの前の見合い話を断わる。
だって俺には菜々ちゃんしかいないから。
決して広居さんが海士長で、菜々ちゃんが空3尉だからじゃない。
菜々ちゃんに一目惚れしたんだ。
菜々ちゃんのしっかりしたところ、優しいところが大好きで、頼りない俺にはぴったりだし・・・。
もちろん広居さんはかわいいし、大人しくてね・・・なんか妹って感じなんだよね。
で、思いついたわけ。
ちょうど広居さんも弟も24歳。
もちろん弟には彼女がいないし、お父さんは舞鶴地方総監部のトップ。未来の海幕長といわれているし・・・。ちょうどいいんじゃないかな。
弟も嫌ではなさそうだったし・・・。
もちろん広居さんも。
弟は幹部でイケメン。外見はばっちり。ただし頼りない。おちこぼれ。
でもやさしいいい奴だと思う。馬鹿だけど・・・。
で、いいよね。これで。
問題は・・・菜々ちゃん・・・。
もちろん未だに着信拒否中。