ミラー! (431)セッティング | 超自己満足的自己表現

ミラー! (431)セッティング

 僕は、狭山とエリカさんを何とか会わせようとセッティングを考える。合コンちっくな飲み会となると、二人以外の人とくっつく可能性がある。だから嘘はつかずに、ただ紹介したい人がいると伝える。


付属病院近くの居酒屋で待ち合わせ。狭山は予定している日に、用事があり遅れるかもと連絡が入る。エリカさんは紹介する人は男性であるとちゃんと伝えてあるから、きちんとおしゃれしてきている。もちろん僕の同期で、自衛隊医官、今研修医で防医大にいるとね。


 居酒屋へ入店して30分後、狭山がやってくる。なんと制服姿だよ・・・。最近衣替えをした冬服。もちろん本郷では珍しいので、注目の的。


「狭山、こっちこっち。」


超自己満足的自己表現 狭山は制帽を脱ぐと、かばんへ入れる。


「遠藤、ごめん待たせた。」


といって店員に案内された席に座り、生中を注文する。


「狭山、どこ行っていたわけ?制服姿で・・・。」
「横須賀。ちょっと用事があってね。」
「ふうん・・・。あ、エリカさん。この人が僕の同期の狭山正樹。海自医官で今防医大で心臓外科の研修医をしているんだよ。狭山、こちらがさ、紹介したいっていっていた女性。安原エリカさん。東大医学部5年生だよ。僕の指導医である安原教授のお嬢さん。」


狭山の奴、ちょっと固まったあと、自己紹介。


「あ、海上自衛隊医官の狭山正樹です。まだ研修医やけどね。」
「安原エリカです。まだ医大生です。」


とお互いの自己紹介。狭山はまあ顔は中の上だし、性格もいい。ちょっと閉所恐怖症ってことがあるけど、これから病院中心勤務の医官としては関係ない。二人ともまんざらではない様子で、色々話している。


 3人で色々話ながら、時間が過ぎていく。もちろん医学の話で盛り上がる。楽しそうに笑っているエリカさんを見て、狭山とうまく行きそうな気がした。だってお互い医者の息子と娘。志も同じだし。二人とも真面目。恋愛には初心。丁度いいんじゃないかと思う。