ミラー! (360)就活ガイダンス | 超自己満足的自己表現

ミラー! (360)就活ガイダンス

 就職ガイダンスの一環として母校の招かれ、講演会みたいなものをすることになった俺、源雅治。控え室で、元カノと再会するなんて思わんかったけど・・・。ま、むちゃくちゃきれいになっていたけど、俺は真美がいるから興味なし。


 講堂に集まった1年生全員と、2年生の就職希望者。ずらっと並んで、司会の先生が俺を呼んで入ってくると拍手をされ、注目される。こういう手のことは初体験で・・・。

「はじめまして、後輩の皆さん。航空自衛隊第4航空団第11飛行隊、通称ブルーインパルス所属パイロットの源雅治です。」


と自己紹介をすると、ブルー紹介DVDを流す。これは今年のDVDだからこの俺は映っていない。もちろんそのことは前置きで言っておいた。上映会を終えると、この俺がこの道を選んだきっかけとか、ここまでくる経緯とかスライドを使って、説明する。パイロットになるには俺のように防大を出るって事もあるけど、ほとんどが航空学生。最短で資格が取れて、活躍できるってこと。まあそういうことを簡単に説明。


実は今、来年6月に発売予定の某航空機関係雑誌の密着を受けている。1年間密着だよ。ま、その雑誌の記者も来ているからな・・・。ちょっと恥ずかしい・・・。


やはり思春期の後輩だらけ。質問の時間には、真面目な質問の後輩もいるけど、


「先輩は結婚しているんですか?それとも彼女いるんですか?」


などと聞いてくる。来ると思ったよ。


「一応独身です。といっても、来春一緒になる相手はいますよ。ま、俺が一人前になったらですけど・・・。」


ふと元カノ、花蓮と目が合う。そしてすぐに目をそらされる。この話からだんだん高校時代の恋愛話に発展してくる。ま、ある程度はね・・・。そのたびに花蓮と目が合う。興味ないと思いながらもあいつのほうばかり見てしまう。盛り上がったまま時間終了!何とか控え室まで戻ってくる。


はあ・・・。


なんか異様に疲れた。婚約者、真美は今夜の最終便で、仙台からやってくる。迎えに行かなきゃ。明日は神戸でもデートして、夜は飲み会入ったし、日曜日は真美の実家へ遊びにいって、最終の飛行機で仙台へ帰るってことで・・・。


他の先生が入れたお茶に口をつけ、着替える。時間があるし、隣の駐屯地にいる雅美と面会でもするかな?


荷物をまとめ、挨拶に訪れた校長や教頭、進路指導の先生に挨拶をして控え室を出る。


「雅治君!」


と後ろで俺を呼び止める。花蓮だ。


「なんや?」
「雅治君、婚約者いたの???」
「いるけど何?あ、明日どうすんねん。プチ同窓会。やるんやったらここへメール入れてくれ。」


といって俺は紙に書いたメルアドを手渡す。


「い、一応声かけてみて返事するね。」
「じゃ、頼むわあ・・・。俺、婚約者連れて行くわな。頭数入れてくれ。みんなに紹介したいしな。じゃ。」
「う、うん。」


ちょっと悲しげだったけど、しょうがないやん。俺にはほんま大切な婚約者、真美がおる。おるんやから。