ミラー! (316)衛生隊遠藤中隊内の会話
どこからか情報が流れたのか・・・。僕に第2子が生まれることが駐屯地中に広まっている。だからってどうってことないけど・・・。僕所属部隊は北海道長期演習に向けての準備で忙しい。でも僕は1週間遅れで合流することになっているし・・・。富田君に僕の不在時のことを任せてある。
「二尉~~~振られちゃいました。」
と訴えられた。やはり遠恋だし、相手は多忙なタレント。毎日のメールや電話もできないほどのすれ違いの毎日。あと僕と立花真里菜を会わせようと企んだ節あり。富田君、利用されたかもね。イケメンで実は無茶苦茶恋愛に関して純粋なんだよねえ。
「二尉~~~~。演習終わったら、妹さんに告っていいですか?超美人の妹さん。」
「はあ?」
その話に独身の若い部下たちが寄ってくる。
「え!中隊長に超美人の妹さんがいらっしゃったんですか???」
「紹介してください!」
「あ、でも・・・よく考えたら・・・・。」
といって一斉に出た言葉は・・・。
「総理大臣ご令嬢だ!!!」
といってため息交じりで立ち去っていく。
「高嶺の花だよなあ・・・ご令嬢だもん。」
「政治家のご令嬢はやはり政治家の・・・・。」
「俺たちのような下っ端の特別国家公務員なんて見向きしないだろうね。」
でも富田君は違った。いつの間にか陽菜とのツーショット写真・・・それを見せびらかしている。
「見ろよ見ろよ。いいだろ~~~。二尉の妹さんとのツーショット。実は俺、メル友なんだあ!」
「むっちゃ綺麗やん!」
「ええなあ・・・。とんちゃんはあ・・・。」
もういい加減にしてくれ。マジで・・・。
「二尉の妹さんは元ミス青学で、今国際線のCAなんだって。やはり違うよね。育ちが・・・。」
「ミス青学???マジで高嶺の花・・・。俺降りるわあ・・・。相手にされん。」
こういうところ男の現場だよね。このあと、誰々の彼女がかわいいだの、そういう話で盛り上がっている。僕は黙々と演習の準備に取り掛かっているんだけどね・・・どうでもいいよそんな話・・・。でも僕の部下には数人の女の子がいる。痛い視線を感じないのか、視線を!!!