縁 (43)クリスマスイブ | 超自己満足的自己表現

縁 (43)クリスマスイブ

 やっと来た、孝志君の誕生日。初めてだよね、何かお祝いするのって・・・。朝からプレゼントが入った紙袋を大事にかばんに詰め込んで家を出る。今日午後の便でフライトに出掛けるパパは朝から機嫌が悪い。反対にルンルン気分で出掛ける私。学校終わった後にどこでデートするんだろうと思いながら、学校へ向かっていく。もちろんいつものところで孝志君と出会い、手を振り別れる。


縁 孝志  今日は終業式だから?黒の詰襟学生服を着ている。やはり私服もだけど、制服も似合う彼。私は顔を赤らめながら、友達と学校へ向かっていった。終業式の時も、ミサの時も終始上の空。だって孝志君と一緒にいることが出来るんだもん・・・。それもゆっくりね。どこかカフェでも行こうかなあなんて・・・。


 やっと行事関係が終わって、校門を出る。校門前には見慣れた自転車。もしかしてって思うと、やはりそう。学生服を着た孝志君が、顔を赤らめて自転車を支えながら立っていた。初めてだもんね・・・校門で待っているのって・・・。急いできたのかなあ・・・孝志君の額にはほんのり汗。女子校生達にジロジロ見られながら立っている。普段はモデル「榎本孝志」に見えない孝志君。もちろん見えないようにしているわけ。髪形一つでイメージって変わるものよ・・・。普段のまじめそうな髪型。よく見れば榎本孝志だってわかるんだけど、みんなわからないのかな?



縁 優希 私は孝志君のもとに走り寄る。孝志君は満面の笑みで私を見つめてくれた。この笑顔が大好き。孝志君は微笑みながら言うの。


「これからどうする?お腹すいただろ?広尾でランチでもする?ついでに着替えてきなよ。制服のままって言うのもね。僕もさ、着替えてくるから、いい?」
「うん、そうだね。どうする?」


孝志君と広尾にある有名なイタ飯の前で待ち合わせの約束。そして別れる。もちろん私は急いで家まで帰ったわけだから、家でシャワーを浴びて、この前買った新しい服に着替え、お気に入りのバックにプレゼントを入れて家を出る。そして待ち合わせのお店の前へいくとすでに孝志君は待っていた。


「ごめんね、遅くなちゃった。」
「いいよ。僕もきたところだから・・・さ、ランチにしよう。」


そういって私たちは手をつないで店内で。ランチを注文して、今まで会えなかった日々を取り戻すかのように色々話しながら楽しい時間を過ごした。