縁 (20)どきどき・・・ | 超自己満足的自己表現

縁 (20)どきどき・・・

 このマンションの部屋にはシャワーブースのみと、シャワーバスつきのバスルームがある。

「孝志君、お風呂がいい?それともシャワーだけでいい?」


って聞いてみる。


「どちらでもいいよ。優希ちゃんが好きなほうで・・・。」


そして孝志君は私の顔をじっと見て微笑む。


「一緒に入る?」


じょ、冗談でしょ???まだキスしかしていないのに・・・。一緒にお風呂だなんって・・・。私は顔を真っ赤にさせて俯いていると、孝志君が大笑いして言うの。


「冗談だよ。優希ちゃんはゆっくりお風呂にはいったらいいよ。僕はシャワーだけでいいから。」
「はははは・・・。じゃあ・・・。」


そうよね、冗談だよね・・・。孝志君も真っ赤な顔をしてシャワールームへ着替えを持って入っていった。もちろん私もバスルームに入りお湯を張る。そしてゆっくりお風呂につかり考える。さっきの言葉、ちょっとは本気だったのかな・・・。二人きりの部屋。誰も邪魔する人なんていないのよ・・・。やはり孝志君は求めてくる?だったら私は???まだ付き合って日が浅いし、まだ私も孝志君も高校生だよ・・・。色々考えながら30分近く入っていた。お風呂から上がると、孝志君はリビングでテレビを見ていた。そして私に気がつく。


「優希ちゃん、ゆっくり出来た?これからどうする?どこかへ出かける?それとも・・・・。」

それとも・・・?って何?

「それとも・・・って?」
「え?なんか言ったかなあ僕・・・。」


真っ赤な顔して苦笑する。やはりそういうことを考えてたんだ・・・。どうしよう・・・。覚悟を決める?ソファーに座っている孝志君の横に座る私・・・。もちろん孝志君は私の肩を抱く。そして少しの間の沈黙・・・。孝志君は私を孝志君のほうに向け、抱きしめてキスしてきた。そしてそっと押し倒され、孝志君はキスをしながら覆いかぶさる。



縁20 やっぱり・・・。どうしよう!!!!



孝志君は手馴れた感じで私のワンピースのボタンと肩紐をはずしていく。そしてその手が足のほうへ・・・やっぱり怖い!!!私は無意識に涙を流しながら孝志君の頬をたたいていた。


「ごめん・・・。」


孝志君は立ち上がって帰り支度を始める。もちろん私も、マンションの後片付けを・・・。気まずい雰囲気でマンションを出る。広尾まで目をあわすことなく・・・そしていつもマンションまで送ってくれるのに・・・・。


「じゃ・・・。」


といって孝志君は白金方面の出口へ向かって歩き出した。怒らせてしまった?このまま別れちゃうのかなあ・・・。