縁 (15)家庭訪問 | 超自己満足的自己表現

縁 (15)家庭訪問

縁15  夏休みに入り、海に行こうと思ったんだけど、最近天気が悪い。悪いからどうする?ってことになって、優希ちゃんと一緒に夏休みの宿題をしようって事になって、図書館でもよかったんだけど、優希ちゃんのおじいちゃんちにある優希ちゃんの勉強部屋ですることになった。もちろん優希ちゃんのマンションにはじめて入る。指定された時間に優希ちゃんのマンションの前で待ち合わせ。優希ちゃんは超可愛い笑顔で出迎えてくれた。


「孝志君、いこ。」


といって優希ちゃんは僕の手を握る。


「今日はお婆ちゃんしかいないから安心して。お爺ちゃんは議員会館でお仕事だし、パパとママはフライトだし。お婆ちゃんはとてもいい人だからね。」
「んん・・・。」


元ファーストレディーに会えるわけか・・・。お爺ちゃんに言わせると、弐條元総理の奥さんってすごく綺麗で、元ミス慶応だったらしい。歴代の総理大臣夫人の中でも3本の指に入る美しさ。もちろんその中にはこの人の妹であり、和気元総理の奥さんも含まれるってことで・・・。どんな感じの人なんだろう。優希ちゃんに似ているのかな?


 優希ちゃんのおじいちゃんの家の前に到着。優希ちゃんちと同じ階で反対側の角部屋らしい。優希ちゃんは呼び鈴を鳴らし、お婆ちゃんらしい人が顔をのぞかせる。


「いらっしゃい、優希ちゃん。そちらは?」
「前言ってたでしょ。優希の好きな人。」
「ああ、孝志君ね。どうぞ、はいって。」


本当に優しそうなお婆ちゃん。70歳前には見えない。やっぱり優希ちゃんに似ている。


「お婆ちゃん、ママやパパには内緒よ。パパに彼がいるって知られたらきっと邪魔するんだもん。お婆ちゃんは優希の味方でしょ?だから内緒ね。」
「はいはい・・・。」


と、お婆ちゃんは苦笑。優希ちゃんに連れられて優希ちゃんの勉強部屋へ。日の当たる南向きの明るい部屋。女の子らしい内装。勉強机のほかに家具調コタツ(といっても今の季節はコタツではないけど・・・。)そのテーブルに荷物を置いて、勉強道具を取り出す。優希ちゃんはリビングから冷たいジュースとお菓子を持ってくる。家の中にお婆ちゃんがいるとはいえ、初めて密室で二人きり・・・。ドキドキもの。