縁 (12)姉妹 | 超自己満足的自己表現

縁 (12)姉妹

縁12  実はお姉ちゃんと私は同じ部屋。本当は個人の部屋が欲しいんだけど、3LDKに5人で住んでるんだもの。お兄ちゃんは一人だけ男だから、一人部屋を与えられている。羨ましいけれどしょうがないよね。別に一人になれないわけじゃない。同じマンションの中に母方のお爺ちゃんとお婆ちゃんが住んでいる。お爺ちゃんは元総理大臣。でもそんな風に見えない優しいお爺ちゃん。ちょっと抜けたところがあるんだけど、それは天然。代議士バッチをつけると人が変わるって言うからすごいよね。そのお爺ちゃんの家に私専用の勉強部屋がある。眠るときのみ、お姉ちゃんと一緒になるわけで・・・。お姉ちゃんも迷惑よね。一人になりたいだろうに。ま、パパに言わせると、お姉ちゃんが彼氏を連れ込まないためだって言うけどね・・・。笑っちゃうわよ・・・。


「優希、優希の彼氏、かっこいいよね。どこで見つけたの?」
「通学路だよ。学校に近くに住んでるの。」
「へえ・・・良かったね。優しそうだし、どう見たってファザコン優希のタイプじゃん。なんとなくパパに似ているんだよね。麻高なら頭いいし、いいんじゃない?」
「孝志君のパパって代議士さんなんだって。おじいちゃんと派閥は違うらしいけど、同じ党らしいよ。遠藤代議士って知らない?2期目の・・・。」
「知ってる、知ってる。あの胡散臭そうな男ね。そろそろ重要ポスト狙ってるって話だよ。義理のお父さんはお爺ちゃんが総理大臣の頃、派閥は違ったけど右腕だったって聞いたし・・・。でも全然似てないじゃん。孝志君と・・・。きっと超お母さん似なんだね。ということはママと孝志君のお母さんは知り合いのはずだよ。ママの最初の会社の後輩だって聞いたけど?」
「そうなんだ・・・。今度聞いてみようかな・・・。孝志君に・・・。」


するとお姉ちゃんの携帯がなるの。相手はマネージャーさんみたいね。


「え?さっきの男の子の連絡先教えて欲しいって???どうしてですか?」


孝志君の連絡先を教えて欲しいってどういうこと?お姉ちゃんは苦笑しながら話していた。