縁 (11)弐條家にて | 超自己満足的自己表現

縁 (11)弐條家にて

 「お帰り、あれ?一緒だったの?」


と、ママが私とお姉ちゃんに声をかける。


「うん、偶然マンションの前でね・・・。ね、お姉ちゃん。」
「そうよね。ママ、なんか残ってない?お腹すいちゃった。」
「美咲、食べてこなかったの?優希は?」
「優希は食べてきたよ。でもちょっと小腹すいた。」


ママは微笑みながらありあわせのもので簡単に作ってくれたの。

ママが作ってくれている間に、早速メールで孝志君とやり取り。もちろん返事はすぐ返ってくる。ニコニコしながらメールをしている私を見てお姉ちゃんは苦笑。


私の双子のお兄ちゃんは塾に行っているみたい。まあ、早実だからそのまま大学にはいけるんだけど、お兄ちゃんはパイロットになるために理系のいい学部を目指している。お兄ちゃんは私と違って頭がいいから、塾でも特待生扱い。まあ私も小学校は早実にいたんだけど、通学が大変だからって近所の学校を受験して、今の高校は中学から通っている。実はパパの出身校慶応中を受けたんだけど見事撃沈。そのまま早実中でもいいかなって思った矢先に近所の女子校に受かったもんだから、パパは大喜びで女子校に入学させたの。お姉ちゃんはずっと幼稚園から高校まで学習院系列で、大学は早稲田。まあ私はママの出身大学、聖女大でもいいかなあなんて思ったりしている。だって家の裏だもんね・・・。近いのはいい。ホント私って兄弟の中で一番馬鹿。やれば出来るってパパもママも言うんだけどね・・・。


縁11  私のパパはパイロット。欧米担当の機長をしている。そしてなぜか働いている会社の個人筆頭株主。株の配当だけでも食べていけるほどの割合を持っているらしいんだけど、パパは優秀な機長さんだし、今生きがいを感じているみたい。パパの幼稚園は学習院、小・中学と慶応。高校はなぜか兵庫県の県立高校で、防衛大学校に入り中退して航空大学校を経て、今とは別の航空会社に入ったんだって。優秀すぎて引き抜きで今の会社にいる。


 ママは生まれながら総理大臣経験のある政治家の娘(お爺さんも曾おじいさんも経験ありよ^^;)で、根っからのお嬢様。高校まで学習院系列で、大学は聖女。まあ早稲田や慶応に入る頭はあったらしいんだけど、近所と言うことで、聖女に入ったって。そのあとCAになって、私とお兄ちゃんが生まれた時に引退したんだけど、私たちが幼稚園へ入ったことを機に、違う会社で復帰。今に至るの。


実はパパとママ、いとこ同士の結婚なの。大恋愛の末、10年付き合って結婚。未だにラブラブで、羨ましいぐらいよ。父方のお爺ちゃんと母方のお婆ちゃんは兄妹。ホントいとこ同士だって聞いた時は驚いたわよ。実はママの双子の弟と、パパの2歳年上のお姉ちゃんもいとこ同士の結婚だったりするんだけど・・・。よくわかんない世界だわ。


追伸:そういやパパのお爺ちゃんも最高、官房長官までいった政治家だったわ^^;うちって政治家一家だわあ・・・。