縁 (2)恋心 | 超自己満足的自己表現

縁 (2)恋心

 聖女は今日から授業なのかな?新1年生も混じっている。制服を見るとわかるよね、ちょっと大きめで型崩れしていないんだから。色々な女の子たちの顔を眺めながら、自転車をこぐ。そしてある道の角で女の子とぶつかりそうになった。


「キャ!」
「あ、ごめん!怪我ない?」


僕は自転車から降り、尻餅ついた女の子に声をかけ、かばんを拾う。


「大丈夫?本当にごめん。怪我は?」


女の子は制服の汚れを叩いてちょっと苦笑。


「大丈夫です。当たっていないし・・・。びっくりして尻餅ついただけだから・・・。」


よく見るとこの子可愛いじゃん。なんとなくだけど、憧れのタレント、仁科美咲に似ている!僕はゴソゴソとかばんからメモ帳を取り出し、携帯番号と苗字を書いて、その子に手渡す。


「これ、何か後から痛くなったりしたらいけないから、持っていて。僕の連絡先だから・・・。」


その女の子はメモを見て言う。


「遠藤さん?」
「遠藤孝志って言います。この近くに住んでるから、何かあったら言ってくれたらいいし・・・。一応名前聞いていい?」
「あ、優希。弐條優希って言います。その制服って・・・麻高?あ!遅刻しちゃう!」


縁 優希 そういうと優希ちゃんは微笑みながら手を振って学校へ急ぐ。仁科美咲に似ている彼女。自転車をこぎながら、さっきの彼女の事で頭がいっぱいになった。


 毎日すれ違うたびに挨拶を交わす。彼女は何事もなかったようで、微笑みながら会釈。超可愛いし、ホント微笑む顔は仁科美咲にそっくりじゃん。毎朝が楽しみでたまらない。


「最近いいことでもあったのか?孝志。」
「ん?ちょっとね。」
「その顔は好きな子でも出来たか?」


お爺ちゃん鋭いな・・・。そう、僕は優希ちゃんに恋をしてしまったんだ。