四神降臨 復活編 最終章 鳳凰降臨 (5)未来 【完結】
もうあれから何年経ったのかしら・・・。私は下賀茂神社内の一室にいる。純白の白無垢を着て・・・。
いろいろあったなあ・・・。少女だった私は今はもう立派な女性。養父母の朱雀神社の宮司さん夫婦は本当の娘のように今まで面倒を見てくれた。もちろん大学も出してくれた。普通の人間の生活を送らせてくれた。
「紫苑、準備できた?」
と、今日から私の旦那様になる人が声をかける。その人は私の白無垢姿を見て微笑む。
「何?恥ずかしいじゃない。じっと見ないでよ・・・。麻沙耶。」
「紫苑、すっごく綺麗だから・・・。」
そう私は玄武に関わる者だった近衛麻沙耶と結婚する。
ここまで来るのに色々反対された。だって麻沙耶は旧五摂家の次期当主。名門中の名門の長男。麻沙耶のご両親は名家のお嬢様と結婚させたかったらしいのだけど、麻沙耶は私を選んでくれた。きちんとご両親にも紹介してくれて、うまく行くと思ったのだけれど、反対されたの。だって私は両親もいない、そして小さな朱雀神社の養女だから・・・。麻沙耶は何年もかけてご両親を説得してくれたんだけど結局首を縦に振らなかった。
「紫苑。しょうがない・・・最後の手段だよ・・・。」
といって既成事実をつくろうって・・・。はじめは私は反対したの。だって祝福されて結婚したい。でもそれではいつになっても結婚できないよって言われて首を縦に振った。そして私の体の中に新しい命が宿った。
「大丈夫だよ。うちの両親は処分しなさいとは言わないよ。だから安心して・・・。」
私は麻沙耶にすべてを任せることにした。案の定麻沙耶のご両親はしぶしぶ首を縦に振ってくれたの。そして結婚してからは麻沙耶の配慮で、当分麻沙耶のご両親と別居することに決めた。
神聖な神前結婚。ふと振り返ると外にはお兄ちゃん。相変わらず若いまんまのお兄ちゃん。そして側には私達の他の四神に関わる者たち。私たち夫婦の門出を祝ってくれている。式が終わると親族での記念撮影。すると麻沙耶がご両親にいうの。
「ねえ父さん、母さん、あの3人も一緒に写っていい?あの3人は僕の大切な親友なんだ。」
「ああ、麻沙耶の親友ならいいだろう。」
3人が合流して記念撮影。本当にうれしそうなお兄ちゃんの顔。ホント九条君や安倍君と変わらない若さ。きっと麻沙耶のお父さんはみんな同級生と思っているんだろうな・・・。
「さあ!写しますよ!!!花嫁さん、もっと笑って!!!花婿さんも!!はい!」
出来上がった写真はホントに幸せそう。
平和で美しい国、日本。私はこの国に生まれてよかった。これからもずっと平和だといいな・・・。どうか四神が、そして黄龍が降臨しない世の中であり続けますように・・・。
(完)
何とか終了いたしました。
このような駄文にお付き合いいただきましたありがとうございました。
次回作はまだ不明ですが、早く更新できるようにしたいです。
四神降臨の番外編などはないと思います。麻沙耶と紫苑のこの先のことが気になったりはしますけれど・・・。
まぁ私の大好きなハッピーエンド。これでいいじゃありませんか・・・。
今回と前回の挿絵を書きたかったんですが、PCがまだ帰ってきません^^;はあ・・・。
ではまた。