四神降臨 復活編 最終章 鳳凰降臨 (3)平安 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 復活編 最終章 鳳凰降臨 (3)平安

 例の戦いが終結し、私は担当部署に提出する極秘の報告書をまとめた。

行方不明になっていた船、潜水艦、飛行機は不思議なことに無事に現れ、何事もなかったかのように帰還。現代の神隠しだと騒がれている。そしてあれほど頻発していた地震をはじめとした天変地異もあれ以来ぴたりと消え、この美しい国日本に平和が訪れた。

担当部署以外の人には理解できない内容の報告書。知らない人が見たとしてもこれはフィクションであると思うのであろう。そして報告書の最後にこう要望書きを付け加える。

『朱雀に関する者である我が妹、紫苑に正式な戸籍を与えてください。そして18歳の普通の人間の少女として扱っていただけるようによろしくお願いします。』

と書き記した。

四神降臨11-3 「兄さん!ごはんだよ!」

と、巫女の格好をした紫苑がいつものように夕飯を呼びに来る。本当に紫苑は人間になった。もう朱雀のオーラなどまったく感じない。ここのところずっと紫苑は麻沙耶に会っていない。というよりも会ってはいけないのだ。これはしょうがないこと。政府から紫苑のこれからのことについての指導がない限り、動けないし、また外界との接点も禁じられているからだ。もちろんそれは麻沙耶君をはじめ、竜哉様、聖斗君にも説明した。ちょうどいいではないか・・・。彼らは受験生だ。この夏休みの間、今まで怠っていた勉強に精を出すのもいいものだと思うのだが・・・。紫苑もいつ普通の女の子としての生活が始まってもいいように、朱雀神社の娘亜樹とともに勉強をしている。そしてバイトとして巫女をやってくれているのだ。

 本当に今までのことが嘘のように平和な生活・・・。私は今までのようにまた生き神としての生活が始まるのだろうか・・・。せっかく教諭として慣れてきたところであるのに残念だけれど、教諭というのは私の仮の姿。いつまでもこの姿でいることは許されない・・・。

 しかし平和はいいことだ。私もいつ何時指令が来ても言いように充電をしないといけないからね。