四神降臨 復活編 第9章 復讐  (3)策 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 復活編 第9章 復讐  (3)策

四神降臨9-3  やはり他の関わる者のもとにも同じような魔獣が訪れたようだ。特に襲撃するわけでもなく、ただ単に睨みつけて消え去るという。


そしてさらに日本各地の地震が頻発になり、日本国中の通常生活は困難になって来ている。日本経済も落ち込み、私の所属している部署からもどうなっているのかと催促されるのである。


清々しい夏の日差しに包まれていたこの京都も最近曇りがちになり、雷雨を伴った豪雨に見舞われることも多くなった。人々不安も増大し、犯罪なども増えていく。もうこのままでは美しい日本という国は壊滅してしまう。このまま黒龍をはじめとした魔族を放置できない。


「ねえ、兄さん。この僕が黒龍をおびき寄せようか?」


と紫苑が言うのだが、危険すぎる。紫苑は黒龍の側にいたのだ。今段階では四魔獣の一角さえ倒すことは出来ないであろう。この私でさえ無理かもしれないのだ。


「でもさあ、兄さん。いつまでもあっちが仕掛けてくるのを待っていたら、この国はだめになるよ。もっと被害が拡大するよ。それでなくてもこの国は麻痺してきているのに・・・。任せておいてよ。僕は黒龍の巣窟のことは詳しいよ。ずっとそこで住んでいたんだから。」
「それはそうだけど・・・。紫苑。お前にはまだ無理だ。」
「でも!兄さん!いつまでもあっちが仕掛けてくるのを待っていていいのか?僕が何とか囮になるよ。早く魔族の計画を食い止めないといけないんだよ!!!兄さん!何とかなるよ。僕には仲間がいるから・・・。麻沙耶も、九条君も、安倍君も・・・。龍磨や白狼。そして兄さん・・・。だから・・・。いいでしょ?僕は早く元の姿に戻りたいんだ。そしてこの美しい国を元通りにしたいんだ!」


しょうがない・・・。紫苑に任せるしかない・・・。


「紫苑・・・これを持って行きなさい・・・。」


私は紫苑に私の朱雀の印を手渡した。


「兄さん・・・これ・・・。」
「いいんだ。きっとこの印が紫苑を守ってくれるから・・・。この印は私の分身。私の力の一部が吹き込まれている。完全に覚醒していない紫苑でも、これさえあれば、何とかなると思うから・・・。」


紫苑は私の朱雀の印をぐっと握り締め、紫苑の朱雀の印とともに胸元にしまいこんだ。