四神降臨 復活編 第9章 復讐 (1)四魔獣
ここのところ竜哉様は塞ぎがちである。やはり体内に眠る青龍の力に戸惑っておられるのであろうか。もちろん徐々にではあるが竜哉様の体内奥底に眠っている青龍の気は増してきているのは確かである。あとは竜哉様の気持ちによるものと考えてもいいものだろうか。
最近また全国的に地震が頻発してきた。相当被害も出て来ている。先日現れた先の青龍に関する者の龍哉様がいっておられたこと、善と悪の歪みがさらに増して来ているのであろうか。
夏休みに入り、勉強会と称して四神に関わる者たちが、ここ朱雀神社に集まっている。もちろん勉強もお互い教えあっている。私の妹であり、朱雀にかかわるものである紫苑はずいぶんと黒龍の気が浄化され、以前まで強張っていた表情も柔らかくなり、私の信仰者たちとも仲良くやってくれている。
「兄さん、やはり最近の地震って、歪みによるものなの?最近夜うなされるんだ。清い気がここ京都に追い詰められてきているんだ。周りは邪気ばかり。どうなるの?どうすればいいの?」
「んん・・・・。実を言うと私にもはっきりとはわからないんだ。もちろん魔族の気は増して来ている。そしてここのところ魔族が徘徊しているのもわかる。先日も散歩の折にこの朱雀の町にも現れるようになった。同じようなことを青龍の町に住む龍磨、白虎の町に住む白狼からも報告を受けた。今のところまだ弱い魔族の徘徊であるが・・・。そうだ、紫苑。黒龍のもとにはどのような魔獣がいたのだ?」
「よくわからない。いつも僕が見るのは黒い陰なんだ。そうだ、強烈な気を持つ三頭の魔獣がいた。姿ははっきりとわからないんだけど・・・。」
この仕事をして最近耳にした事がある。それは魔族にも四神のようなものがあるということ。その一角が黒龍と・・・。裏四神というべきか。ということは・・・?裏黄龍もあるというのか?そこまではまだ未確認である。