四神降臨 復活編 第7章 救出 (3)癒しの力 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 復活編 第7章 救出 (3)癒しの力

 紫苑は襲い掛かる魔獣をすべて倒し、荒い息づかいで膝を付く。麻沙耶は紫苑に詰め寄る。


「紫苑君!!!どうしてここまで僕のために・・・。」


紫苑は痛みに耐えながらも微笑む。


「それは僕は麻沙耶が好きだから・・・。麻沙耶を愛しているから・・・。」
「でも僕たちは男同士だよ。そんなの無理だ。」
「無理じゃない・・・。僕は男なんかじゃない。本当は女らしい・・・。黒龍の術で・・・男に変えられ利用されていたんだ。麻沙耶・・・よかった無事で・・・。」


そういうと紫苑は気を失う。


「紫苑!!!」


麻沙耶は紫苑を抱きしめ泣き叫ぶと、玄武のオーラに包まれるのである。すると見る見るうちに紫苑の体にあった傷が消えていくのである。


「え?」
「麻沙耶、それがあなたの玄武の力・・・。玄武の癒しの力よ。よかった・・・。破壊の力の覚醒を阻止できた・・・。」
「ところであなたは・・・?」
「私は近衛麻耶。もう一人のあなたよ。ずっとあなたの中で生きてきた。そしてあなたを支えてきた。あなたがいくらいじめられても我慢できたのは私がいたからかもしれないわね。あなたがなよなよしているだけの男の子だったら、もうこの世にはいなかったかもしれないわね・・・。麻沙耶。あなたは他の四神の仲間と手をとり、世を乱す黒龍を倒してちょうだい。もうあなたは弱くない。もともとあなたは弱くなんかなかった。私があなたの中にずっといる限り・・・。」


すると女性の姿は麻沙耶の体内へ消える。


「んん・・・。」


紫苑が目を覚まし、起き上がる。


「おはよう紫苑君。って言ってもまだ夜だけどね。」


紫苑はその言葉に噴出す。


「麻沙耶。僕は朱央先生と暮らす。先生は僕の兄さんなんだ。僕はもう黒龍と縁を切る。だから麻沙耶。もう黒龍のところには行かないよね。約束してくれる?」


麻沙耶は微笑む。


「うん。僕はもう行かないよ。僕は紫苑君が大好きだから。ずっと一緒にいたいから。」


二人はキスを交わす。約束のキスを・・・。