四神降臨 復活編 第6章 朱雀 (9)朱雀覚醒 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 復活編 第6章 朱雀 (9)朱雀覚醒

 気が付くと僕の後ろに同じ気を持った人が立つ。振り返るとそこには歴史の非常勤講師・・・確か源朱央先生。いつの間にここへきたのか?


座り込んでいる僕に手を差し伸べて微笑む。


「覚醒したね・・・紫苑。」
「え?」
「私は朱雀の皇子。君の双子の兄だよ。私の妹、紫苑よ。」
「でも僕は男だよ?」
「今の姿は術によるもの。黒龍王が倒れれば、元の姿に戻ることが出来るという・・・。ほら、これは紫苑の母君から預かったもの・・・。そしてこれを・・・。」


兄という朱央先生は僕に赤紫の石と、赤勾玉を大事そうに胸元から取り出し、手渡す。そのうち赤い勾玉は眩く光ると宙に浮き、僕に吸収される。


「やはり紫苑が今回の朱雀に関するものであったか・・・。」
「朱雀に関するもの?」


朱雀に関するものとは四神の一つ朱雀を呼び出すことが出来るという者。魔王を倒すことが出来るのは黄龍のみ。黄龍を呼び出すためには四神の力が必要だという。


その一神が僕なの?もちろん兄という朱央先生は頷く。そして僕にもう黒龍に近づくなというんだ。近づくと何をされるかわからないというんだけど・・・。


僕は今日から朱央先生の自宅、朱雀神社にお世話になることになった。

本当にこれでいいの?

黒龍の皇子として生きてきた僕は、本当にこれでいいの?
でも体の奥底から湧き出る力・・・。

これは龍族のものではない。それだけははっきりいえる。