四神降臨 復活編 第2章 青龍 (5) 不可思議 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 復活編 第2章 青龍 (5) 不可思議

 いつものように僕は登校する。今日はなんだか天気が悪い。雨が降るのかどんより空気が重い。すると急に空気がぴんと張り詰め、耳がキーンとなる。あれだけ流れていた空気が止まり騒がしかった音がまったくしなくなったんだ。周りを見回すと、あたりは灰色・・・。そして誰もがまるでビデオを止めたように止まっている。え?え?え?どうして僕だけ???きっとこれは夢だ!夢の続きなんだ!!!


すると僕の前にけったいな生き物が・・・。

なんだあれは・・・全身闇に覆われた獣・・・。

赤い眼と鋭い牙。


『グルルルルル・・・。やっと見つけたぞ・・・青龍・・・。』


はあ???


その獣は僕を向かって一歩一歩近づいてくる。逃げようと思っても足が動かない。



四神降臨2-5 「出たわね!魔獣!!!」


僕の前にうちの制服を着た女の子。

手にはお札を持ち、僕を守るように仁王立ちしている。


誰だっけ・・・この子は・・・。

見たことはある。


その子は何か呪文を唱え、お札を投げつけると、お札は火の矢となり、獣に向かうんだけど、その獣は跳ね返す。


「亜樹!亜樹の敵う相手ではない!魔獣よ!私が相手だ!!!」


その声の主は例の教師。

女の子の前に立ち、教師の体は赤く光るんだ。


「亜樹!九字をきり、龍哉様を避難させよ!」
「はい!朱雀様!!!」


女の子は僕の背中に回り、何か呪文を唱える。

するとふっとからだが軽くなり、足が動いた。

女の子は僕の手を引き校門を出る。

僕が振り返ると例の教師の姿はなく、一体の火に包まれた鳥・・・。


「烈火!!!」

その言葉と共に、獣は火に包まれ、もがき苦しみながら、消えてしまった。


再び耳鳴りがしたと思うと、いつものような五月晴れの清々しい空。

生徒たちは何もなかったように校内へ入っていく。

側には例の女の子はいない。

そして例の教師は?


例の教師は何もなかったように校門の前に立ち、生徒たちに挨拶をしている。

今のはなんだったのだろう・・・。


しかし未だに残る腕の感触。

例の女の子がギュッと引っ張って校門前まで・・・。

あの女の子と例の教師が僕のほうを見て何か話している。

夢か幻か・・・。

あれ?さらにもう一人・・・。

見たことのない男の子?転校生かな・・・。



でもあの顔みたことがあるぞ。

そう・・・例のいつも見る夢に出てくる・・・僕を守護する者と言っていた・・・。

名前は確か、巽龍磨。


例の教師に似た男の名は・・・源朱央。

あ!!!

例の教師の名前!!!源朱央!!!

同姓同名じゃないか!!!


どういうことなんだ???