四神降臨 最終章 黄龍降臨 (12)龍哉の行方 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 最終章 黄龍降臨 (12)龍哉の行方

 ふと麻耶姫は気がつく。


「黄龍様!!!東宮様いえ龍哉様はどこ???もしかして生贄に???」


黄龍は麻耶姫に向かって言う。


「焦るな・・・。青龍の皇子の心が清ければ清いほど、みなを愛する心があればあるほど、皇子は無事に戻るであろう。あの青龍の皇子は清く、強く、みなを愛する心を持っている。私の姿が消えたとき、必ず戻ってくる。」
「では、そのような心ではなければどうなるのですか?」
「その時はこの私に喰われ、吸収されるであろう。まあ、あの皇子はそのような心を持ってはいまい。安心なさい・・・・。さて、私はまた深い眠りにつくとする。再び魔王復活のとき、出現するだろう。」


黄龍は都を見回して言う。


「魔王のおかげで都は壊滅状態・・・。このあと、鳳凰が現れ、魔王によって壊された物を元通りにし、人々の記憶を消し去るであろう。」
「私たちの記憶までですか?」
「そこまでは私にはわからないが・・・・。」


そういうと黄龍は金色の光を放ち、姿を消す。

姿を消したあと、青白い光に包まれた龍哉が横たわっていた。



四神降臨5-11 龍哉は気を失い、意識がない。麻耶姫、朱央、西斗は駆け寄り、龍哉に声をかける。

「東宮様!!!」

朱央が龍哉の体を起こし、麻耶姫が龍哉に声をかける。

「東宮様・・・。起きて・・・。東宮様!!!」

龍哉は確かに生きている。何度も何度も麻耶姫は龍哉に声をかける。

「リンビョウトウシャカイジンレツザイゼン。」

と、西斗が手刀で四縦五横に九字を切る。すると龍哉は目覚める。

「ここは???」

龍哉はゆっくり立ち上がると、胸元の4つの勾玉に気がつく。そして不意に空を見上げる。


空には聖天子出現の後この世に現れるといわれる瑞獣・鳳凰が現れ、清い光を放ちながら、都中を飛び回る。魔王との戦いによって壊されたモノが、徐々に元通りになる。


もちろん聖天子とは龍哉のことである。


その光は龍哉、麻耶姫、西斗、朱王に降り注ぐ。


鳳凰が消えた後、今までにない初夏の空になる。もちろん都の者達がみた事のないきれいな初夏の空。四人はみな微笑んだ。


「終わったね・・・。これで国は乱れることはないだろう・・・。乱れたとしても、再び四神が出現するほどではないと思う。」


そういうと龍哉は東宮御所の御殿に戻って行った。