四神降臨 最終章 黄龍降臨 (7)青龍の力
龍哉はうなだれながら、御殿へ戻ろうとする。
「東宮様!!!」
龍哉は振り返り、麻耶姫に言う。
「今の僕には何も出来ない。まして龍磨がいないと僕は・・・。ただの人に過ぎない・・・・。まだ覚醒していないのだから・・・・。」
すると天から声がする。
『いい事を聞いた・・・・未だ青龍の皇子は覚醒していないとはな・・・・。』
その声の主は魔王。魔王はそこまできていたのだ。
「きゃ!」
魔王は人型に変化し、麻耶姫を羽交締めにする。魔王の人型は金色の髪に白い肌、そしてブルーの瞳を持つ男である。
『青龍の皇子、龍哉よ・・・。お前の大事な姫君を返して欲しければ、お前の力を食わせていただこう・・・・。』
龍哉は引き付けられる様に魔王のほうへ近づく。
「東宮様!!!来てはいけません!!!東宮様!!!!」
龍哉が魔王の手の届くところまで近づくと、魔王は暗黒竜の姿になり、龍哉の頬をぺろりとなめる。
「東宮様!!!!だめぇ~~~~~~~!!!」
麻耶姫の叫び声とともに、麻耶姫と龍哉の勾玉が光る。その光は大変まぶしく、魔王は一瞬怯んだ。その隙に麻耶姫と龍哉は魔王の側から離れ、朱央の「烈火」と、西斗の「疾風」が合わさった火の渦に包まれる。
龍哉はふと我に返り、魔王からさらに離れる。
『おのれ~~~~~~このようなもの痛くも痒くもないわ!!!わしの体内には朱雀、白虎、玄武の力が備わっておる。あと青龍の力さえ食えば!わしは魔族最強の暗黒黄龍となるのだ!!!!』
魔王は炎の渦を振り払い、西斗と朱央に襲い掛かる。もちろん二人は飛ばされる。
「やめて!!!」
麻耶姫は叫び、朱央と西斗に駆け寄った。