四神降臨 最終章 黄龍降臨 (5)襲撃
大きな爆発音とともに、今まで味わったことのない邪気が東宮御所めがけて襲ってくる。
この邪気に龍哉をはじめ、不思議な力を持つものたちは震え上がる。しかし、それと反対に龍哉の体は知らず知らずのうちに覚醒へ着実に向かっている。
『龍哉様、ついに時が来たようです・・・。私も覚悟を決めなければ・・・。龍磨もだぞ!』
と、白老は龍哉、朱央、西斗、麻耶姫の前に仁王立ちする。
『白老、わかっているとも・・・。俺も変化し、少しでも龍哉様が覚醒するための時間稼ぎをしないとな・・・・。』
『若造、お前も成長したな・・・。』
白老と龍哉は最高の力を注ぎ、東宮御所に結界を張る。
『どこまで我らの力が通用するか予測不能だが、この命が燃え尽きるまで、守護しようぞ!龍磨!』
『おお!』
白老と龍磨の結界は襲い掛かる魔物たちを跳ね除ける。
「西斗、我らで未だ覚醒していない龍哉様を守護しよう!!!」
「わかっています。朱央様。」
やはり白老と龍磨には限界があるのか、どんどん結界に力が弱まってくる。力の強い魔物の一部は結界を抜け、龍哉のほうへ襲い掛かる。何も出来ない龍哉は呆然と守護する朱央と、西斗を見つめることしか出来なかった。