四神降臨 最終章 黄龍降臨 (3)謀反の日の未明 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 最終章 黄龍降臨 (3)謀反の日の未明

 龍哉のお忍びから数日経とうとしている深夜。龍哉はとてつもない胸騒ぎに襲われ、飛び起きる。


「龍哉様、どうかされましたか?」
「龍磨、今日は何日だ・・・。」
「六月二日未明でございます。あと一刻ほどすれば夜が明けましょう・・・。」


そのあと龍哉は床につき、眠ろうと試みるが、どうしても眠ることが出来ない。もちろんこの感覚は龍哉だけではない。


東宮御所内の麻耶姫、左近衛府にて宿直中の朱央、そして自宅にて就寝中の西斗も同じであった。


龍哉はさっと直衣に着替えると表へ出る。すると南の空は赤く染まっている。これは朝焼けではない。龍哉は宿直中の朱央を呼び、何が起こっているのかと、調べさせた。


この騒ぎに麻耶姫がおきてきて、不安そうな表情で、龍哉に寄り添う。


四神降臨 胸騒ぎの原因 「東宮様・・・。」
「姫、今朱央に調べさせているから・・・。」
「今夜は新月・・・。私の嫌いな新月・・・・。たくさんの者達が死に、そして魔族が活発に動き回る新月・・・。怖いのです。」

龍哉は不安そうな表情の麻耶姫を抱きしめ慰める。

「大丈夫です。」


泣きたくはないのに涙を流す麻耶姫。

龍哉はじっと赤く染まる空を見つめ、朱央の知らせを待った。

次第に内裏は騒ぎ出し、この騒ぎで西斗が急いで出仕してくる。


「東宮様!こちらに出仕の道中でこの騒ぎの真相を耳にしました!」


と龍哉の前で西斗が申し上げる。


「どうした?何が起こっているというんだ?」
「謀反でございます!本能寺にて謀反でございます!」


元右大臣が滞在していると聞いている本能寺でも謀反。

朱央も龍哉の前にやってきて詳しく申し上げたのである。