四神降臨 最終章 黄龍降臨 (1)胸騒ぎ | 超自己満足的自己表現

四神降臨 最終章 黄龍降臨 (1)胸騒ぎ

 謀反の計画が練られている同じころ、寝所にいる龍哉は胸騒ぎに襲われる。どう寝返りを打っても眠れないのだ。


四神降臨 胸騒ぎ 龍哉は小袖の上に着物を羽織り、表の廊下に出て、しとしとと降る梅雨の雨を眺めている。


「龍哉様、どうかいたしましたか?」

不思議に思った守護龍・龍磨は龍哉に声をかけた。


「ん?なんだか胸騒ぎがするんだ。それがなんなのかは定かではないんだけど・・・。龍磨は感じないのか?いつもどんよりしている都がさらに重苦しい。龍磨はいいね・・・。」


龍哉は龍磨を眺め微笑む。


「どうかなさったのですか?」
「僕だけだよね・・・。何も力がないのは・・・。先日朱央は朱雀に覚醒したし、西斗は昔から陰陽道に精通している。麻耶姫は癒しの力・・・。僕だけが中途半端なんだよね・・・。」


龍磨は溜め息をつき申し上げる。


「龍哉様、龍医師が申していたように、着実に覚醒に向かっていると・・・。朱央様のように何かの引き金で一気に覚醒するかもしれません・・・。安堵なさいませ。」
「龍磨、久しぶりに馬に乗り、都を見てまわりたい・・・。そうすれば気が晴れるかも・・・。」
「それはいいかもしれません・・・。そのように手配いたしましょう・・・。明日すぐにとは・・・。まずは寝所にて体をお休みになられては?」

龍哉は微笑んで寝所に入っていく。
しかし、どうしても激しい胸騒ぎを覚える龍哉だった・・・。