四神降臨 第4章 覚醒 (1)魔王の正体
どうにかして青龍寵愛の姫をこの手に・・・・。
あと一神の力をこの体に喰わせれば、このわしは魔の黄龍となる・・・。この世で最強の魔獣族、暗黒黄龍となるのだ・・・。
魔王の正体、それは黒い龍。龍といっても龍王のような姿形はしていない。鱗が生え、玄武から得た強靭な胴体と、白虎の力で得た太い足、朱雀の力で得た翼、そして太く長い首に鋭い目。姿形は西洋龍のようである。もちろんこれは玄武、朱雀、白虎の力を得たことによる姿なのだ。
これまでに玄武、白虎、朱雀の力を体に食わせ、あと一神青龍を残すのみ・・・。
龍国は四神一、清い気に包まれ、魔王は何度龍国に侵入し、国を滅ぼそうとしたが、成し遂げることが出来なかった。そこで気づいた青龍寵愛の姫宮。姫宮の体内には青龍王の力が蓄積されている。その姫宮を食えば、青龍の力を手に入れたといっても過言ではない。
魔王は人型に戻り、家臣を呼びつける。
「光秀、どうにかして、元斎宮の姫宮をここに連れて参れ・・・。」
「しかし、帝は姫宮様の降嫁をお許しにはなっておりません。」
「本当にお前は使いようのない男よのう・・・。最後の機会を作ってやったものを・・・。京極や武田と同じ目に遭いたい様だ・・・。下がれ!!!」
この無茶苦茶な命令に首を縦に振らない家臣明智光秀・・・。
これまでに色々無理難題を言いつけられ、非難され続けていた。そして朝廷側からも主君の暴君ぶりを改めさせるよう言い渡されている。朝廷と君主との板ばさみ状態・・・。
この家臣は悩み苦しみある策略を練ろうとしていた。