四神降臨 第3章 覚醒の兆し (7)告白と目眩 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 第3章 覚醒の兆し (7)告白と目眩

東宮妃 「え?どういうことですか?」


と、龍哉の話を聞いた麻耶姫が聞き質す。


「僕は帝の孫ではあるけれど、父は亡き先の東宮ではありません。母は元伊勢斎宮、そして父は龍神なのです。ですから僕は半龍半人。ここにいる侍従、巽龍磨(たつみりゅうま)は人じゃなく、僕を守護する者、守護龍。姫は黒の勾玉をお持ちでしょう・・・。僕は青を、安倍西斗は白を持っています。これは四神に関係する者の証。そして姫は玄武。姫が小さい頃より持っている癒しの力は玄武による力。それだけではありません・・・。使い方を間違えれば、絶命させることもできるらしい。ですから・・・。」


龍哉は急にめまいがし、脇息にもたれかかる。


「龍哉様!」


龍磨がかけより、龍哉の様子を伺う。


『多分昨夜の後遺症が今頃出たのかも知れんな・・・。とりあえず、龍磨、龍哉様を寝所へ・・・。』


と白老が龍磨に指示をする。


「い、犬が・・・こ、言葉を・・・・。」


麻耶姫は白老が話すのを見て絶句するのである。


『し、失礼な。わしはあんな低俗な生き物と一緒にするではない!わしはれっきとした式神、白狼。ここにいる安倍西斗の式神だ。犬ではない!狼だ。あと数百年生きることが出来たら、大神といっても過言ではないが・・・。わしの発祥は大和国三輪山の大神大社。そこで式神として生まれ、代々陰陽師家系安倍家に仕えてきた式神だ。あのような吠えるしか能のない犬と一緒にするな。』


そういうと、白老は歩き出し、龍哉の側で様子を伺う。そして西斗以外で初めて龍哉の側に寄り添い、腰をおろした。


『西斗、龍哉様のご気分がよくなるまでこうしていたい。なんだかこの私でも不安でしょうがない・・・。きっと何かある・・・。何かはわからぬが、大きな邪気が迫っている・・・。西斗、悪いが・・・。』


そういうと、あごを龍哉の胸の辺りに乗せじっと龍哉の眠っている顔を見つめているのである。


つづく・・・。