四神降臨 第3章 覚醒の兆し (4)入内
帝は右大臣に龍哉の母宮を降嫁させる事を断った。右大臣は怒り、右大臣の位を返上した上で帝にこう申し上げる。
「後悔なさいますな・・・・主上。きっと後からエライ目に遭うであろう・・・。くくくく・・・。ひとまず今回は引き下がろう・・・。」
おとなしく引き下がる右大臣、いや魔王・・・。
そして迎える近衛家の姫君の入内の日。
この日はいつもの違った空模様。
春の温かい日差しをいっぱいに浴びて、姫君は東宮御所に入内した。都中は久しぶりの豪華な行列に心を和ませる。しかし婚儀は未定。姫君は東宮御所の東側の部屋を与えられ、久しぶりに会う東宮のいる寝殿に挨拶に訪れる。
相変わらず東宮の側には2人の東宮侍従が控え、様子を伺っている。東宮龍哉は上座に座って近衛の姫君を見つめて微笑む。
「お久しぶりでございます。和仁様。関白一の姫、麻耶でございます。」
「姫、よく来てくださいました。まだ婚儀は決まっておりませんが、本日よりこの御所を姫の邸と思って気兼ねなしにすごしたらいい。内裏や後宮と違ってここは堅苦しくないから安心して。」
入内はしても婚儀の日取りはまだ決まっていない。というよりなかなか決まらないのだ。
この入内、表向きは東宮の後見問題に終止符を打つためであるが、裏向きは四神のうちの三神を集めたというべきであろうか・・・。
どこにいるのかあと一神、朱雀・・・・。
あるところでは魔物たちが行動を起こそうとしている・・・・。