四神降臨 第3章 覚醒の兆し (2)式神白狼、「白老」の勘 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 第3章 覚醒の兆し (2)式神白狼、「白老」の勘

 東宮御所に戻ってきた龍哉。溜め息をすると脇息にもたれかかって考え込む。


「東宮、申し訳ありませんでした!我が式神白老のあのような勝手な振る舞い・・・。普段はあのような振る舞いをする式神ではありません・・・。」


安倍西斗は平伏し、懐から白狼「白老」を連れ出す。


白老 「白老、東宮に恥をかかせたのですよ。東宮に謝罪を・・・。」
『しかし・・・西斗・・・。本当にあれは人間ではない。今までこのワシが間違ったことがあるか?』
「それは・・・。」


龍磨は白狼に詰め寄る。


「白老!お前もそう感じたか!」
『あぁ・・・。さすが守護龍・・・あれは相当な邪気を持っている。あのような邪気は感じたことはなかった・・・。』
「俺もそうさ・・・。あのような邪気を持つのは・・・・。でもどうして龍哉様の母君を欲しいと言ったのだろう・・・。」
『そういうところまだまだ若いな、守護龍は・・・。母君の体の中には龍王の力が蓄積されているんだよ・・・。まあそのひとつが龍哉様であっても過言ではない・・・。とてつもない邪気を持つものたちは、力を吸収することが可能なものが居る。それを狙っているかも知れんな・・・。』
「龍王に報告したほうがいいものか・・・。このままでは母君が危ない・・・。何かいい手はないものか・・・。」
『ふっ・・・まだまだ本当に甘いな・・・。この若造が・・・。龍王とて、あいつをどうにかできるかどうかさえわからんほどの邪気だ・・・。ワシら式神や守護する者が手出し出るような相手ではないだろうて・・・。きっと帝が承知しないとしても腕づくで龍哉様の母君を奪うであろうな・・・。その時は・・・龍哉様が苦渋の決断をしなければならないことが起こるであろうが・・・。手遅れにならないうちに・・・あと一神を探し出さなければ・・・。』


そういうと白狼は龍哉のほうを見つめ悲しげな顔をするのである。