四神降臨 第2章 降臨 (5)魔の契約 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 第2章 降臨 (5)魔の契約

ある全国統一間近の武将のもとに現れる邪気のあるモノ。


武将は腰の刀に手を置き、そのものに立ち向かおうとする。しかし金縛りにあう。


暗い邸の中に光る赤い眼。その目が徐々に武将に近づいてくる。武将は家臣を呼ぼうとしても声が出ない。それどころか、近くに控えていたものたちは倒れていた。


近づく眼は荒い息をたてながらさらに武将に近づく。

心の中で武将は叫ぶ。


(何者?!)


「まあ落ち着け・・・。お前の願いを聞き入れてやろうとしているのだ。」


(ワシの願い???)


「お前は一国の主ではなく様々な神になりたいと言ったな・・・。神の頂点に君臨したいと。その願い、叶えてやろう。ただし・・・・。」


(ただし???)


「その体、この私が喰わせていただく。ただそれだけのこと・・・。」


有無を言わさずその黒い影の赤い眼を持つものは武将の体を喰い尽くす。そしてその黒い影は武将の姿になる。

悪の心で満たされた生身の体・・・。いい体が手に入った・・・。

そういうとニヤリと笑うと何事もなかったかのようにこの先武将を演じるのである。もともとこの武将自体の奇行、悪行の数々・・・。もちろん武将の家臣どもは何が起きようとも気づくはずはない。


そして自らのことを「第六天魔王」名乗ったのである。



第2章 降臨  (完)