四神降臨 第2章 降臨 (5)玄武の姫君の奇行 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 第2章 降臨 (5)玄武の姫君の奇行

玄武の姫君  玄武が宿った姫君は十三歳。関白の姫君として何不自由の無い生活をしている。父、関白の悩みはただひとつ。麻耶姫の不可思議な行動である。



 昼夜問わず、姫君のもとに訪れる生き物たち。そのものたちは皆怪我をしていたり何かを患っている。姫君はそのものたちに手をかざすと、その手から光を放ち、清い光が生き物たちを包み込むと、その生き物たちは健康体になった。



その噂を聞いた都のものたちは関白邸を訪れるのだが、もちろん門衛に断られるのである。



しかし姫君は満月、新月の夜、無意識のうちに邸を抜け出し、そして朝方には戻ってくるという不可思議な行動をするのである。



もちろん関白は使いを出し、姫君が何をしているのか調べさせる。



すると姫君は玄武神社で玄武の舞を舞っている、ただそれだけなのである。朝、目覚めると姫君は覚えているわけはない。



不思議なことに姫君が不可思議な行動を起こした次の日、何かが起こる。



満月の夜はどこかでたくさん様々なものが誕生し、新月の夜はどこかでたくさんの者達が死んでいく。



延暦寺焼き討ちの日も新月の日であった。



「変な噂が流れると、我が姫の縁談がなくなるではないか・・・。」



と関白は嘆くのである。



もちろん関白は由緒ある五摂家のひとつ近衛家である。関白の姫君として生まれたこの麻耶姫を御歳15歳の東宮に入内させようとしているのは明らかなことである。この姫君は東宮の元服の折に、副臥役に選ばれ、何も無かったが、龍哉と共に一夜を明かしたのは言うまでもない・・・。



その時のみ、守護龍龍磨は龍哉の側を離れ、二人に平伏していた。



もちろんそれは青龍の皇子と、玄武の姫君が出会ったことに対する敬意であるのは明らかである。



つづく