四神降臨 第2章 降臨 (4)疑い
あと一神の予言のみが式神により書き出されないまま、さらに年月が経つ。
戦国の世ではある武将が全国統一間近・・・。
相変わらず側に控える守護龍龍磨。
龍磨も元服を迎え、帝より東宮侍従の位を授かる。人間界にいる龍磨は成長が早い。もう青年の姿になっている。やはり龍の世界と人間の世界では時の流れが違うようだ。
この年月の間に、龍哉はこの龍磨に助けられ、そして龍哉は自分の力を感じることが出来るようになってきたが、完全な覚醒はしていない。
そして未だに混乱し続ける国・・・。
あと一神・・・。
朱雀についての予言がない・・・。
玄武の予言以来まったくというほど四神に関しての予言が無いのである。
予言を疑いだした帝・・・。
帝は陰陽頭安倍を呼び出し、問い詰める。
「国はますます荒れてきている。数年前の延暦寺の焼き討ち・・・。あの焼き討ちでどれほどのものたちが死んでしまったか・・・。このままではこの国は・・・。どうなってしまうのだろう・・・。」
安倍は黙ったまま平伏したままである。
あと一神・・・朱雀はどうなっているのか・・・。
もしかしたらもうすでに朱雀がいるのかもしれない。
どこにいる。朱雀よ!
つづく