四神降臨 第2章 降臨 (3)無邪気な守護龍・龍磨 | 超自己満足的自己表現

四神降臨 第2章 降臨 (3)無邪気な守護龍・龍磨

龍磨竜 「小龍という言い方はいいにくいわね。何かいい名前はないかしら・・・。宮中で生活するとなると、龍の身分を隠さなければなりませんからね・・・。」



と龍哉の母が言う。



「俺は主人である龍哉様に決めて欲しい。それが慣例だからね。「小龍」って名は仮の名だから・・・。」



この小さき守護龍はじっと眠っている龍哉の側に座り、眠っている龍哉の顔を眺めている。いつの間にか朝が訪れ、龍哉は目覚める。側にいる年格好が似ている童子を見て、飛び起きる。



「ねぇ、母様。この子は誰?」



母宮は龍哉に優しく微笑みながら言う。



「龍哉の父君様がおつかわしになった友ですよ・・・。仲良くなさいね・・・。」

「うん・・・。名前は?」

「龍哉がお付けなさい。」



龍哉は悩みながらもこの童子に名前を付ける。



「龍磨。」



そういうと龍哉は笑いながら龍磨を見つめた。



「東宮様、お目覚めでございますか?主上がこちらに・・・。」

「お爺様が?」



帝がたくさんの供の者を連れて東宮御所の龍哉の御在所にやってきたのである。そして龍哉の元気そうな表情を見て微笑んだ。帝は童子に気付きいう。



「おや、見慣れない子がいるね?姫宮、誰かな?」

「お父様、龍哉の遊び相手に呼び寄せた龍磨でございます。」

「うむ・・・。よさそうな子だね・・・。」



龍磨はむくれた顔をして言う。



「このおっさん誰?」



母宮は焦って龍磨に言う。



「龍磨、なんて恐れ多いことを・・・。この方は龍哉の祖父宮。そして帝であられますよ。」

「そんなの関係ないや。俺はさ、龍哉様のみ主人だ。帝であろうと神であろうと関係ない。俺は龍哉様とともに生きるんだから・・・。で、おっさんはいくつだ?」



帝は意外な言動をする龍磨に興味を示す。



「ほう面白い童子だ・・・。気に入った。私は四十八歳だ。」

「なあんだ俺より年下かあ・・・。俺は六十三だよ。」

「六十三????そのようには見えないが・・・。」

「龍族は人間よりも十倍遅く時が流れる。龍王は三百歳。ということは人間で言えば三十歳かな・・・。まあ、龍哉様は半龍半人だから、ちょっと成長の仕方は違うと思うけどね・・・。龍族でも前代未聞だよ。ホントに・・・。」



本当に無邪気な表情で帝と会話する龍磨。

周りの者たちはハラハラしながら、龍磨の言動を気にしたのである。