四神降臨 第1章 予言 (10)白虎の若君の力
四つになった若君は父である陰陽頭のほうに近寄り自慢げにある岩を指差す。
「父上、いくよ。」
指を指した大きな岩がひとりでに動き、若君の指差すほうに飛んでいく。
「父上すごいでしょ。式神を使わないで出来るんだ。どうして僕だけなの?父上は式神にさせるよね・・・。」
「そうだね・・・。西斗だけだね・・・。でもその力はやたら使うものではないよ・・・。いいかい・・・使うべき時のみ使うんだ・・・。私が式神を使う時みたいにね・・・。」
「うん・・・。」
陰陽頭である父はわが子の内に秘めた力に気づいていた。それはとてつもない力に違いない・・・。わが子の力を使うべき時まで封印することに決める。
それがいい事なのか、反対に悪いことなのか・・・。それはその時が来なければわからないであろう・・・。
子守代わりの式神・白狼と遊んでいる若君を見て陰陽頭は苦悩の表情を見せた。
続く・・・