ドリーム・クエスト (36)旦那様は庶民的?2
クリスマスイブの昼下がり。私たちは車に乗ってお買い物。近所でもよかったんだけど、なんとなく品揃えの面もあって、車で30分くらいのところにある大型の商業施設に行ったのね。
「今日は何買うの?」
「ん、そうやな、パソコンもそろそろ買い換えたいしな、服もほしいし・・・。今日はイブやし、彩子の欲しいもんなんでも買ったるわ。」
ホントにこういうところでいいのかな・・・。和気さんってホントに庶民的。最近私服はユニクロ。シンプルでいいんだけどね・・・。
「彩子にコーディネイトしてもらったらユニクロもええブランドに見えるから、よろしくな。」
「で、どんなの欲しいのよ。」
「上から下まで。適当に選んでよ。」
国会議員が、全身ユニクロだなんて・・・。ユニクロがだめって言うわけじゃないけどね・・・。
ま、ここだけじゃなくって、いろいろなお店で和気さんの服を買ったのよ。
28歳の和気さん。
私の付き合うようになっておしゃれになったよね・・・。
昔なんて仕事ばかりの服で、私服は少なかったのよ。ま、秘書時代、休みは一日中疲れて寝てたって言うしね・・・。
結局今日は和気さんの服とパソコンを買ったのよ。私はというと、なかなかこれという欲しいモノが見つからなかったから、保留にしてたのよ。
「ホンマにないの?じゃあね・・・時計でも買う?また仕事で使うやろ。そうや、ペアっぽいの買おうか・・・。俺らペアっぽいのって結婚指輪だけやしな・・・。いくらのでもええで、予算はいっぱいやからな・・・。」
「いくら?」
和気さんは私に向かって3本の指を見せる。
「30万?」
「0がひとつ足りんひんよ。」
300万????もともと和気さんはいつもニコニコ現金払いって人だから、それだけ持参しているのね・・・。
「ま、足りんかったらカード使うけどな・・・。」
300万も何買うのよ・・・・。
車でも買う気?
結局ブランドやさんで気に入ったのがあって、それの決めたんだけど・・・・。
「彩子、カバンとか欲しいもんあったらついでにええよ。」
「いいよこれで・・・。」
和気さんはぽんと現金で100万の封付きピン札を出してたわよ。ホント使う時は使う人だわ・・・・。
すると携帯がなるの。
仕事の話みたいね・・・。
和気さんはちょっとここで待っててといって人ごみから外れたところで真剣な顔で話している。私はというと、近くにあった椅子に腰掛けて、荷物番?すると変な男に声をかけられる。
「ねえ彼女、一人?」
「違います。」
こういうの嫌いなんだよね・・・。
「可愛いね。お茶でもどう?」
「結構です。」
「彼女、よく北野彩夏ににているって言われない?」
(本人だよ・・・。)
もう無視無視・・・。私は和気さんのほうを見つめて早く電話が終わらないか願う。
「ねえねえ。」
(うるさい・・・・。)
やっと終わったのか、和気さんがこっちい歩いてくる。
「彩子ごめんごめん。」
「和気さん遅い!」
和気さんと変な男と目が合い、和気さんはその男をにらみつけると男は急いで逃げて言ったわよ・・・。
「和気さん、私をひとりにしないでくれる?で、誰から電話?」
「弐條。ちょっとごたついた事があってさ、ちょっと今から事務所行くわあ・・・。デートはここまで。」
「ええ~~~~~。」
「しょうがないやん。まだ仕事納めやないし、今日は平日やで。今せっせと弐條が官邸につめて動いてくれてんのにさ・・・。仕事が出来たんやから仕事せな・・・。まあちょっとやと思うし、事務所にいたらええよ。」
なんて・・・。
ゆっくりデートできると思ったのにな・・・・残念。