ドリーム・クエスト  (35)旦那様は庶民的? | 超自己満足的自己表現

ドリーム・クエスト  (35)旦那様は庶民的?

 12月中旬。今年は臨時国会が早く終わって、初めて年末年始を和気さんの実家ですごすことになった。もうすぐで和気さんと一緒になって2年・・・。


今年に入ってあれほど反対していた和気さんのお母さんが、私たちの仲を許してくれたの。そしてお母さんはまるで実のお母さんのようによく東京に出てきて、親身になって私達の相談に乗ったりしてくれるの。ホントに変わったの。年末年始はいらっしゃいねってこの前言ってくださって、私たちはお母さんの言葉に甘えていくことにしたの。和気さんだって、地元選挙区の挨拶回りもしないとね。ずっと二階堂さんに任せっきりなのも・・・。

 私たちはクリスマスイブイブに宝塚に帰省。23日ってこと。和気家のみんなは私たちを迎えてくれて、わきあいあいと過ごしたの。

「彩子、明日のイブ、どっかいこか・・・。」
「うんそだね・・・どこ行く?」
「買い物いこか。そろそろ冬もんのスーツ新調したいしな。彩子もなんか買ったるわ。」
「和気さんが何か買ってくれるなんて珍しいね・・・。」
「失礼だな・・・俺も買ってやる時は買ってやる。」

和気さんは倹約家。あまり消耗品にはお金をかけないの。100円均一大好きだし、スーツだって弐條のお兄ちゃんのようにブランドにこだわらない。百貨店でオーダースーツを作らずにスーパー系や紳士服専門店のオーダーでも平気。外食でもそうよ。記念日以外はファミレスやファーストフード、コンビにでも平気。この前、牛丼食べに行ったのよね・・・夜中に・・・。


ホント庶民的な人。


でも出す時は惜しげなく出す。

この前南麻布に引っ越したときも家具とか家電はいいものばかり即金で買ったのよ。


普段私に何も買ってくれない。まあ私は結構ギャラがあるから。お洒落したかったら自分で買えという。働いた金があるだろって。初めは変な人って思ったけど、ケチでいってるんじゃないってことは知ってる。買ってくれる時は文句言わずにどーんと買ってくれるのよ。
ドリーム 和気&彩子2
 夜、和気さんの部屋で、いろいろ話した。

「和気さん、みんなに気を使わせたみたいね・・・。」
「んん・・・。気がついた?」
「何?」
「みんな俺たちのことすごく丁寧に扱ってない?」
「何で?」
「たぶん、俺たち、子供が出来にくいこと知ってるからね・・・。だから急に母さんは彩子のことにやさしくなったんだと思うよ。結婚してすぐのころは、父さんだって俺に子供はまだかってしつこいくらいに聞いてきたんだけど、今はないからね・・・。聞きたくてもいえないんだと思う。そういうことに触れない様にきっと気を使ってるんだと思うよ。」
「そうだね・・・。いずれ授かるわよ。ね。」

私は和気さんにそっとキスをした。その夜、和気さんと私はベットの中で、愛し合う。やっぱりいままでいくら危険日に愛し合っても兆候すらないのよ。やっぱり出来ないんだね・・・。まあ今はいらないから、あと4年ぐらいしたら考えるかな・・・。

「あのさ、彩子。」
「なに?」
「いつまで俺のこと和気さんって言うつもり?もう結婚して2年になるし、彩子も和気なのにおかしいよ。名前で呼んでくれると嬉しいんだけどな・・・。」

そうか、そうよね・・・。そういえば私ずっと和気さんって呼んでたな・・・。


泰明さん?

泰明?

やすくん?


どう呼べっていうの?名前で呼んだことないから照れるわよ・・・。

子供がいたりなんかしたらパパでいいかもしれないけどね・・・。