ドリーム・クエスト  (33-1)政界パーティーデビュー | 超自己満足的自己表現

ドリーム・クエスト  (33-1)政界パーティーデビュー

「彩子、今度の土曜日の夜仕事?」

っておねえちゃんから電話があった・・・。別に予定が無かったから承知したのよね・・・。

夏のある日のことなのよ。


テレビ局から正式に内定をもらって、あとは就職を待つのみ。


パーティは何度も行ったことある。

特に和気さんのお父さんの馬が桜花賞にオークスを勝って牝馬2冠馬になった時には、私は牝馬GⅠレース のイメージキャラみたいなことをしているから、和気家の嫁としてではなく、北野彩夏としてパーティーに出席したの。


これだけじゃない。よくブランドの新作発表の時とかも呼ばれるの。たまになぜか和気さんも呼ばれたりして・・・。今年のいい夫婦の日に選ばれたりして?


だからパーティーは大丈夫だと思ってたのよね。
姉妹
私はおねえちゃんと広尾のお洒落なお店へ・・・。

「いい?今日はみんな政治家の奥様たちなの。特に私達が一番若いから気をつけてね・・・。失敗したら旦那様の恥になることだから。」

え?ということは政界関係???これは初めて・・・。

そういえば私は代議士の妻だった・・・。

「あと、子供のこととかいろいろいわれると思うけど、はっきり言っちゃだめよ。まだとかいらないとか・・・。わかった?やんわりとね・・・。」

きっとおねえちゃんも結婚した20歳の時に言われたんだわ・・・。

私も和気さんと正式に結婚して半年・・・。

入籍も入れたら1年半。

言われてもいいかもしれないよね・・・和気さんも28だし・・・。

 案の定、興味津々なおば様方が私に詰め寄ってくる。特に私はタレント北野彩夏。サインや写真を求められることもあった。お子様が私の年代が多いのかな・・・。

息子がとか娘がとか言って・・・。

そしてお姉ちゃんというとおり・・・。

「お子様はまだ?和気補佐官の奥様はタレントですものね・・・。」
「弐條補佐官のところみたいにお子様がいれば、和気補佐官もきっと張り合いが出ていいでしょうね・・・。」
「あ、来春アナウンサーになるんですよね・・・失礼しました・・・。まだまだということね・・・。」

やはり私が学生だし、働いていることを知っているからみんな私が言うまでに退散していくのよね・・・。

まあ安心・・・。

お姉ちゃんの言うとおり、微笑んでさえいればいいってことよくわかったわ・・・。

でしゃばらないことが一番なのよ・・・。

私が一番若い代議士の妻なんだから・・・。

帰り道、お姉ちゃんは私に言う。

「あんたはいいわよね・・・学生だし、働いているから、婦人会のお茶会に参加しなくていいんだもの・・・。来月総勢12人の奥様がうちにお茶しにくるんだから・・・今から何お茶菓子を作ろうか悩むのよ・・・。ま、あんたと違ってお子様攻撃は無いけどね・・・。今度はうちのこの幼稚園の話になるわよ・・・。もうそろそろ考えないとね・・・。お受験するならそれなりにしないと・・・もう2歳だし・・・。」

ホント溜め息ついてたの。

専業主婦だから大変よね・・・付き合い大変そう・・・。


そういえば、明日朝一番の飛行機で大阪空港に行って即阪神競馬場・・・。

宝塚記念の前に昼休みにトークショーが入っているのよね・・・。

もちろん和気さんのお父さんの馬、ワキノカミカゼも出るらしくって・・・。

ということはあの竹下悠とも会うのか・・・。


牝馬2冠馬ワキノヒメギミが優勝した時会って一緒にみんなで写真を撮ったんだ・・・。いつも私のことばかりじっと見てね、うっとうしいのよね・・・。


和気さんのお父さんが悠君を使う限り、今年いっぱいは会う回数が多いよきっと・・・。

(つづく)