うまのきもち~ある競走馬物語 (1)偉大な父を持つ僕の誕生
(1) 偉大な父を持つ僕の誕生
ある春の日差しが感じられる3月末。北海道はまだまだ寒いんだけど、僕は偉大な父さんの初仔、それも一番最初に生まれた。
父さんは3冠馬、そしてラストラン有馬記念を7冠馬として有終の美を飾った最強馬。母さんは未勝利馬なんだけど、芦毛の美しい外国産馬のお嬢様。もちろん母さんの父は外国でも有名な種牡馬なのだ。
生まれる前からいい血統なのか超期待された僕。年が明けてからまだ生まれてもいないのに、何人もの購入希望者がわんさか母さんの様子を伺いにきたと聞いた。
母さんは難産だった。初めての出産だったし、僕はちょっと弱かったかもしれないから?やっと生まれても僕は動きもせず、牧場のおっちゃんが何度もさすって僕を目覚めさせてくれた。母さんもぐったりしながらも僕をなめて早く立ちなさいとせかす。僕は母さんにぶつぶつ言いながら何とか立ち、母さんにおっぱいをせがんだ。なんとおいしいこと・・・。しっかり立ち母さんのおっぱいを飲む僕を見て、期待を一杯に受け生まれた男馬なのか、牧場のおっちゃんは泣いて喜んだとも・・・。
「ああこれで牧場の借金が返せる!」
なんだと?僕はおっちゃんの生活の糧かい・・・。まあそれがこういう世界・・・。
おっちゃんは母さんを買うためにだいぶん無理した上に、父さんとの種付けにだいぶん無理をしたと聞いた。まあその権利を買うためにある人物に頼んだって聞いたよな・・・。
その人物・・・。まああとで出てくるけどね・・・。
何とかおっちゃんの期待通りに生まれた僕。ちょっと弱いって言うのが難点なんだけど・・・。今は優しい母さんに守られながら日々を生きているんだよね・・・。
(作者からの一言)
なんとなく浮かんだもので、不定期更新となります。
もちろんフィクションです。
いろいろ突っ込まれそうですが、私の妄想ですのですみません^^;
物語の最後はわかっているんですが、間がないんです・・・。
ですから不定期・・・。