明るい家族計画 (5) 妊婦生活~驚き編 2
いつもの診察のあと、いつものように先生は雅和さんを呼んで、あたしの横に座らせたんだけど、先生は少し困った様子であたし達を見つめる。もしかしてあたし達の赤ちゃんになんかあったの?
「すみません。こちらの落ち度で今まで見つけられなかったのです・・・。」
先生何言うの?もしかしてなんか異常が見つかったの?
やめて!
すると先生はあたし達に超音波写真を何枚も見せる。
「角度の関係でもう一人見つける事が出来なかったようです・・・。実はよくみてください・・・。」
先生は超音波写真に指差して詳しく説明をする。
「実は双子ちゃんです。一人隠れていたんですよ・・・。今回随分大きくなってきて見えやすくなったのでしょうか・・・。おかしいなと思って角度を変えたらもう一人・・・。」
「ええええええ!!!!!!」
あたし達は驚いたわよ。双子ちゃんよ、双子ちゃん!一気に二人のパパとママになるの?あたし達。まあ雅和さんがもともと双子だから、家系的に出来る確率はあるらしいけれど、(一卵生の場合のみね)どうよ!
「この時期ですから、一番危険な一卵生で同じ部屋にいるのか、二卵生の一番安全なものなのかは詳しく調べてみないとわかりませんが、まあこれからいろいろ制約があるので、がんばってください。もちろんできるだけ安静に・・・。次半月後に来てください。普通の妊婦さんよりも管理が大変なので、回数は増えますし、何かあったらすぐ来て下さいよ。予定日は半月からひと月早まることも頭に入れてください。あ、そうそう先月の血液検査は異常無しです。ただ双子ちゃんなので、鉄分カルシウムを多めに摂って、塩分は控えめに・・・。では再来週お待ちしています。お大事に・・・。あ、母子手帳もう一冊用意してくださいね。」
あたし達は驚いて言葉も出なかったわよ・・・。
安静と言うことは年末のクリスマスも、お正月も・・・。
自宅にいろってことか・・・。
まあ派閥の新年会は出なくていいのはラッキーだけど・・・。
雅和さんの驚いた顔ったら忘れられないわ・・・。まあ驚くのも無理はないけれど。 診察のあとまた渋谷区役所へ・・・。
役所の人に「またですか?」と言うような表情で見られるのは気のせいだろうか・・・。こういう時は半公人のあたし達は不利ね・・・。
母子手帳発行の書類に必要事項を書き込む。もちろん第何子のところは第2子になるんだかど、そこは大きめに書いておいたわ。そうしたら担当者は驚いていてね、いまさら「双子ちゃんなんですか?」って声をかけてくる。もしかして再発行だと思ったの??双子ちゃんだからもう一冊もらいに来たんじゃない!
すると今度はもらう時に違う職員が言うのね。
「おめでとうございます。先月もいらっしゃいましたね。双子ちゃんなんですね。まあ一気にお子様がお2人も・・・。」
あたし達はテレながら逃げるように区役所を出て行ったわよ。職員なんだからあたし達の相手をしないでしっかり仕事しなさいよ。こういうところからマスコミにばれたりするんだろうか・・・。ちゃんと個人情報を保護してよね・・・。
よく見ると母子手帳のデザインが違う。切り替わったんだね・・・。まあ間違わなくっていいんだけど・・・。
あたしはもらった母子手帳を母子手帳ケースに入れて、大事に保管する。
さすがに自宅に戻ると雅和さんはどこかに電話をかけていたの。多分お父さんなんだろうな・・・。きっと大騒ぎに違いない。あたし達の双子ちゃん。ホントに不安だらけだけど・・・。
雅和さんったら面白いの。きっと男の子と女の子だって言い張って、名前まで付けちゃって、暇さえあればお腹に話しかけてるんだもん。まだあたしは胎動を感じてないから、実感なんてわかないけどね。
こんな姿を見て、雅和さんのばあや光子さんは微笑んでいたわよ。
「本当に昔の旦那様と奥様を見ているようですわ。」
なんて。
ふうん雅和さんのお父さんとお母さんってこういう感じだったんだね。詳しくは話してくれないけれど、きっと幸せだったのだろうね。
(一言)
実はうち、3回目の診察で双子を妊娠している事がわかったのです。驚き!!!さすがに1週間寝込んでしまいましたよ。そして母子手帳のデザインもちょうど切り替わりの時で、二人は違うんです・・・。私の場合は、すぐに転院してくださいって言われました。同じように一卵生か二卵生かで安全性が違うからって・・・。今回のお話は半分実体験のようなことです。はい・・・。^^;