明るい家族計画 (3)予想外・想定外編 2
あたしは食事を済ませてお待ちかねのケーキ!お紅茶入れて、雅和さんと一緒に食べる。
大好きなはずなのにおかしいなあ・・・。夕飯食べすぎたかな・・・。普段ならケーキ2,3個ぐらい別腹で食べる事が出来るのに・・・。1個全部食べられない。おいしいケーキなのに・・・。
「また明日食べるね・・・。」
「どうかした?大好きなケーキなのに・・・。」
胸焼けのひどいやつって感じ?食中毒?でも雅和さんはなんともなさそうだし・・・。
でもちゃんと出来ないようには・・・・。前回はこんなことはなかったし、そういえばあれが数日遅れてる・・・。
「綾乃があんまり食べないのなら、もったいないね・・・。彩ちゃん呼ぶ?」
「うん、彩子もケーキ好きだし・・・。」
彩子はあたしの三歳年下の妹。東大文Ⅰにこの春入学して南麻布の実家に住んでいる。雅和さんは彩子に電話してくれた。彩子は喜んでうちに遊びにきたわよ。まあおいしそうに食べること・・・。ペロッと3個食べちゃったのよね・・・。そして笑顔でさっさと帰っていったのよね・・・。さすがあたしの妹だよ・・・。
でも気分は良くならなくって・・・。せっかく休み前日だから、ゆっくり夜を過ごそうと思ってたのにそれどころじゃなくなったのよね・・・。
「大丈夫?明日土曜日だから午前中病院に行こうか。」
「いいよ、大丈夫だから。」
「じゃあ明日になっても治らなかったら、月曜日に行こう。休み取るし・・・。綾乃がつらそうな顔見るの辛いし・・・。」
時間見たらまだ8時前・・・。どこか薬局開いてるかな・・・。
「ちょっと薬買ってくるね・・・。」
「あ、僕が運転してやるから・・・。」
雅和さんはあたしを連れ出して薬局探し・・・。なんとか六本木ヒルズ近くで見つけて、車の中で待っていてもらって、検査薬を買いに・・・。なんとか購入して、結局ドライブ。コンビニに車止めて、雅和さんは水を買ってきてくれた。
「薬飲むんでしょ。ほら。」
「薬は薬でもね、飲むものじゃないから・・・。」
「胃薬とかじゃないの?何買って来たわけ?」
「ん?んん・・・家に帰ってから使うから・・・。」
「じゃあドライブやめて帰ろうか・・・。」
本当に雅和さんはあたしを心配してゆっくり車を進めてくれた。
ごめんね、心配かけちゃって・・・。まあ原因はわかってるし・・・。まあそれを確かめるために薬局に買いに行ったのよね・・・。
早速自宅に帰ったら、トイレへ・・・。
5分待つって書いてあるのにすぐ結果が・・・。ああやっぱりね・・・。
帰ってすぐにトイレに駆け込んだあたしを不思議に思っていた雅和さんはトイレの前であたしを待っているの。あたしはそっとトイレから出ると雅和さんはあたしを見つめるの。
「やっぱり辛いの?」
「あのね・・・あたし・・・できちゃった・・・。」
「え?何が?」
「だから、赤ちゃんが・・・。」
「嘘!だって・・・・きちんとやってたじゃん・・・。」
「ああいうのは100%じゃないの!」
「そっか、そっか!できたか!」
雅和さんは心配そうな顔から一変すごく嬉しそうな顔してあたしを抱き上げてくれたの。
やっぱり嬉しいんだね。あたしも嬉しいけど、前回は流産したし、今は学生の身分・・・。
雅和さんはまだ赤ちゃんが宿ったばかりのあたしのお腹をさすって喜んでた。
「男かな?女かな?双子だったらビックりだよね・・・・。実は僕、双子だったんだよ。」
「え?」
「まあまたこのことはゆっくり話すよ。ちょっといい話じゃないからね。」
双子だったの?はじめて聞いた・・・。もう一人がいないってことは死んじゃったのかな?でも嬉しそうにまだお腹をさすっている。すると思いたったようにパソコンを立ち上げて、病院を調べだした。
「やっぱり麻布の愛育病院だよね。ここから近いし、有名だから。でも明日は休みなんだあ・・・。よし!月曜日は休みを取るぞ!綾乃も大学休みだよね。」
愛育病院ってのはここらで超有名な有名人御用達産婦人科。設備はもちろん、夫の立会いOKらしいし、このあたりでは一番のところ。
雅和さんはああでもないこうでもないとぶつぶつ言いながら、楽しそうにしている。
よっぽど嬉しかったんだ・・・。そうだよね・・・1年前くらいからよく言ってたもん・・・。子供欲しいよねって。まああたし達は結婚しているし、周りもあたし達の子供に期待しているみたいだから、いいか・・・。パパだってわかってくれるよ。