うれしはずかし恋愛生活 東京編 (26)怒涛の結婚準備 | 超自己満足的自己表現

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (26)怒涛の結婚準備

 さあ秋季授業開始よ!そしてあたし達の結婚式まで三ヵ月を切ってしまった!!!少しでも4年生になったとき楽したいから、履修できるものは履修!取れるだけ取ったわよ。だから朝一から最終講義までほとんどの毎日埋まってしまった。まあ他の子達と違ってバイトしたりとかはないし、家に帰ったところで、あたしの旦那様雅和さんは毎日帰ってくるのが遅いんだもん、別に苦はない。でも秋季試験は大変だろうな・・・。


毎日あたしは朝早く起きて雅和さんとあたしのお弁当を用意して一緒に家を出るの。雅和さんはたまに大学まであたしを送ってくれたりなんかするけど、なんだかんだ言ってもまだ官房長官の新米公設秘書だから忙しいのよね・・・。


午前の講義が終わったら、友人と一緒に学食。あたしはお弁当に何か追加して食べる。まあ毎日のことだけど、友人たちと一緒にいろいろ話しながら食べるのはやっぱり楽しいのよね・・・。ホントあたしは女子大生してるわ・・・。


「やあ、昨年のミス慶應さん。」


ああまたあんた・・・。あたしはもう雅和さんと入籍して人妻なのに、未だに言い寄ってくる医学部5年の丹波さん。知ってて言い寄ってくるんだよね・・・。医学部は信濃町キャンパス。ここは三田キャンパスでしょ。随分離れているのに昼休みを狙ってこの三田までやってくるのよね・・・。もううんざり・・・。何言ってもだめ・・・。まあ適当にあしらうんだけど・・・・。いつもあたしの横の席に座って別に相手しているわけじゃないんだけど、友人との話に入ってくる。


「ねえねえ、今度の週末の予定は?」

「週末は永田町。」

「どうして?」


どうしてって言われたって・・・・わかるでしょ、今あたし達は忙しいんだから・・・。週末はわざわざホテル側とか、クルージングウエディングの担当者が入れ替わりやってきてくれて、公邸で打ち合わせするんだから・・・。だってお父さんがホテルで打ち合わせに同席できないでしょ・・・。いろいろ配慮してもらってんだから・・・。その後はいつものようにお父さんと一緒に夕飯食べて帰って来るってパターン。特に今週末は注文していたドレスが出来るのよね・・・。ホテル側もそれにあわせてあたしのドレスに合う付属品とか、あと雅和さんの衣装とかを持ってきてくれるって言うし・・・。もうそろそろ招待状の準備もしないといけないでしょうが・・・。


「あのね、丹波さん。あたしは人妻なんです。永田町でバリバリの秘書官してるラブラブな旦那様がいるの。」

「知ってるよ・・・やっぱり人妻っていいよね・・・。なんだかドキドキするよ。この僕と不倫してみるのもいいんじゃないかな・・・。もちろん弐條よりも大事にするし・・・。」


やっぱりこの人って楽天家って言うか、なんだか・・・普通の人よりずれているのよね・・・。普通なら人妻に手なんか出さないでしょ。それもあたしと雅和さんは新婚なのよ・・・。人前で不倫する?って言う?普通・・・。馬鹿じゃないの?あんたのせいで毎日午後はブルーよ・・・。あたしに構っていないで、医者になる勉強すればいいのに・・・。5年ともなれば臨床実習とかあるって聞いたわよ。そっちに集中しなさいよ・・・。まあこういう人はろくな医者にはならないわね・・・。


まあなんとかお昼が終わるとあの男は退散してくれたけど・・・。あんたのせいであたしはすごく迷惑してるんだから・・・。


今日は珍しく雅和さんが大学まで迎えに来てくれた。まあ明日はどちらもお休み。仕事上雅和さんは突然の休日出勤もありえるわけで、休みの日は都内を出る事が出来ないのよね・・・。夜だってそう・・・。急に呼び出しかかる場合もあるからゆっくり夫婦生活ってのも・・・。まあ新婚だからみんな気を使ってくれているみたいだけど、なんだかんだ言って旦那様は官房長官の公設秘書でしょ。そうもいかない場合がある。この前もどっかの国でごたついて夜中に緊急招集かかって大慌てしたこともあったしね・・・。そういうこともあるって事よ。まあ基本的に週末官邸で公務がない場合はお休みだけどね・・・。ホントにもうって感じかな・・・。ま、最近週末は官邸横の公邸にいるわけだから、何かあってもすぐ行けるんだよね・・・。


「ちょっと太った?」


雅和さんがあたしの体を見て言うのよ・・・。そういえば最近友達とよくおやつ食べてたわ・・・。やばいなあ・・・今日ドレス入らなかったらどうしよう・・・。


あたしは朝抜きで雅和さんとともに公邸にいったのよ・・・。やっぱり朝抜きは辛いわよね・・・。ドレスの下に補正下着を着るでしょ、締め付けられてちょっとふらっと来ちゃったのよね・・・。まあなんとか入ったから助かったけれど、苦しいわよ・・・。ダイエットしないとね・・・。やっぱり雅和さんは見てないようで見てるのよね、あたしの体形・・・。今日は衣装の最終打ち合わせのようなものだから、簡単に髪の毛をアップにしてテイアラとかベールもつける。本当に本番に近い感じ・・・。雅和さんは別室で、タキシードの準備をしてたの。まあ持ってきてもらったものがぴったりで結局それになったんだけどね・・・。今日はあたしのパパもきてくれて、衣装を見てもらったんだけど、パパったら本番じゃないのに涙ぐんじゃって・・・。あの堅物のパパがよ!きっとこれを東部方面総監部の人達が見たら驚くだろうな・・・。あの堅物総監が・・・って。本番だったら多分号泣するんじゃない?


 午後からは昼食を取った後、招待客の打ち合わせね・・・。招待客のリストを渡して代筆してもらうの。あとだいたいの席順とかも決めないといけないし・・・。ああじゃないこうじゃないって言いながら打ち合わせするのが一番楽しい・・・。ああ、あたし結婚(入籍してるけど)するんだって実感するんだよね・・・。幸せ感じてんのよ一人で・・・。 まあこういう感じであたし達の結婚準備が整っていくわけで、あっ!という間に12月に入っちゃった・・・。


マスコミたちも少しずつだけど、騒ぎ出してね・・・。予定よりも随分早い挙式に「もしかしてご懐妊???」って言う情報も流れてきてあたしは笑っちゃったのよ・・・。まあ一部の政府関係のマスコミしかあたし達の入籍を知らなかったわけだし、驚くのは無理ないか・・・。まあこれ以上周りに迷惑がかかるってことでマスコミに騒がないでほしいと釘をさしていたらしいけれど・・・。


雅和さんは総理大臣の息子で後継者だけど、官房長官の秘書ってことで・・・。あまり騒ぎにはならなかったわね・・・。


で、あのうっとうしい男、丹波さん。まだあたしにちょっかいをかけてくるもんだから、雅和さんはすごく怒って、はっきりきっぱり丹波さんに言ったらしいわよ。でも丹波さんのお父さんが雅和さんのお父さんの東京後援会の代表者だってことには驚いた・・・。ってことはもうこれからも丹波さんのところとお付き合いしないといけないってことであたし達はもううんざりしたわよ・・・。


ホントにこの日本って言う国は広いようで狭い・・・。 どうなるんだろうね、あたし達の結婚生活って・・・。