うれしはずかし恋愛生活 東京編 (9)誤解から始まる過ち | 超自己満足的自己表現

うれしはずかし恋愛生活 東京編 (9)誤解から始まる過ち

高校生活最後の十月祭が終わり、あたしは大学の学部を決めた。文学部にする!よく調べてみると、1年は日吉にいるけど、2年からは三田なのよ・・・。まあいろんな学部がある中で一番適してたからかな・・・。先生もあたしは文学部のほうが向いているって言ってくれたから、文学部に決めたの。2年生になったら雅和さんと通学できるかもしれないし・・・。(うふふ・・・。)まあ入試がないのが救いよね・・・。日ごろの成績がすべてだから・・・。勉強なら雅和さんが見てくれるし・・・。


あたしは雅和さんのバイトがないとき必ず雅和さんのマンションに行って、夕飯作ることにしているの。マンションには同居人の響貴さんがいるでしょ。4人分作って、半分家に持って帰ることにしてるの。


今日は前から雅和さんが食べたいって言ってたものの買い物をいつものスーパーで済ませて雅和さんのマンションに行ったの。今日はパパは夜いらないって言ってたし、響貴さんも用事でいないって聞いたから、今日は時間をかけて愛する雅和さんのために料理を作ろうと思ったの。


だから今日は家に寄らずに雅和さんのマンションに直行!もちろん制服のままで・・・。勉強も見てもらおうと思ってたし・・・。 学校も今日は早く終わって、まだ雅和さんは大学から帰っていないと思ったから、合鍵で玄関を開けて入ったの。


そしたら何で????何で見たことのない女物の靴があるのよ!もしかして浮気????あたしは気が動転して、キッチンに買い物した荷物を置いて部屋の中に入っていったのよ!


「誰かいるの?!」


あたしはいろんな部屋を開けてみて最後に雅和さんの勉強部屋へ!そしたら知らない女がいるわけよ。あっちもいきなりドアが開いたからびっくりしたんでしょうね・・・。きょとんとしてたわよ!


「あんた誰よ!」

「もしかして妹さん?」


あたしはムカッとしたわよ。いくら高校の制服着ているからって、妹なわけないでしょう!男兄弟ばかりなのに!


「あたしは妹なんかじゃないわよ!あたしのこと知らないの?!」


そういってあたしは雅和さんの勉強机にあるこの前撮ったツーショットの写真を見せたのよ。あれよあれ。夏の夕食会のときにとってもらった着物の写真!あと雅和さんの高校の卒業式の写真よ!


「あたしはこれ!」


丁度その時、雅和さんが帰ってきたのよね!


「ごめん、ごめん!」


雅和さんは驚いてたわよ。


「何なのこの女!ねえ雅和さん!」

「え?大学の・・・。」

「信じらんない!あたし以外の女の子を上がらせるなんて!浮気してたんでしょ!」

「ちょっと誤解だよ!この子はね・・・。」

「もう聞きたくないもん!帰る!」


あたしはカバンも忘れてマンションを飛び出したの。そして家に返って自分の部屋で泣いたの。あたしひとりって言ったのに!泣いて泣いて目がウサギのようになってしまったの。


もう婚約解消よ!まだ結納だってしてないんだから!婚約なんて解消してやるわよ!


あたしは家を出て気がつくと清原さんの部屋の前に立ってたのよね・・・。やっぱりマニア事件で親身になってくれたからかな・・・。


あたしは玄関のベルを押してみた。まだ早いかなって思ったんだけど、非番だったのか、清原さんがいたの。


「あれ?綾乃さん・・・どうしたの?泣いてるけど???ここでは官舎の目があるからまあ中に入って・・・。」




清原&綾乃
 あたしは泣きながら清原さんの部屋に入って無意識のうちに清原さんの胸に飛び込んでいたの。 清原さんは真っ赤な顔をしてあたしを離すと、部屋を片付けだした。


「ごめん!汚い部屋だけど上がって・・・。」

「うん・・・。」


あたしはリビングのソファーに座ってもまだ泣いてた。清原さんはあたしに紅茶を出してくれて、言ったの。


「どうかしたの?お父さんに怒られたの?それとも?」

「雅和さんがね、弐條さんがね、浮気したの・・・。だからあたし・・・。」

「ほんと?そんなことないよ。弐條さんに限って・・・。」

「だって見ちゃったんだもん・・・。弐條さんのマンションに女の人がいたの。」

「同居人の彼女とかじゃないの?」

「ううん。だって弐條さんの部屋にいたんだもん。」

「そっか・・・。」


清原さんは泣いてるあたしを抱きしめたの。清原さんの鼓動はすごく早くて・・・。


「綾乃さん・・・。俺さ・・・。」

「何?」


すると清原さんはあたしを押し倒してキスしてきたのよ!なんでだろあたし・・・清原さんを拒否しなかった・・・。


「あれだけ綾乃さんを守るって約束したんだろ!それならもう別れたらいい!そんなやつと一緒にならなくていいよ。おれはまだ綾乃さんが好きなんだ!俺が綾乃さんを守ってやるから!あんなやつ諦めてこの俺と結婚してくれ!」


あたしは清原さんを受け入れてしまった・・・。清原さんはあのあととても優しくしてくれて、車で家まで送ってくれたの・・・。そのあとすぐに誤解だってわかったんだけど・・・。


雅和さんは家の前であたしのカバンを持って待っててくれて、清原さんとあたしに鉢合わせ。清原さんは雅和さんに掴みかかって一発殴ったの。


「お前、綾乃さんの気持ちわかっててやってるのか!浮気なんかやって!」

「誤解です。まあ誤解されるようなことをした僕も悪いけど・・・。あの子は僕の同級生で、同じセミナーの子。二人で組んで研究テーマを決めてレポートを書いていたんだよ。ちゃんとあの子は彼氏もいるし、何にもない。なんとも思ってないよ!」

「嘘つくな!」

「嘘じゃない!綾乃、僕は君に嘘ついたことあった?」


もちろん雅和さんはあたしに嘘なんてついたことなかった。やっぱり誤解だったんだ・・・。


でもあたし、清原さんと・・・・。


清原さんは怒って帰っていったけど・・・・。清原さんと浮気しちゃった私はどうなるの? まあ雅和さんとは仲直りしたんだけど、問題が起きちゃったのよ。


半月経って来るはずのものが来ない!


あたしは急いで薬局いってこっそり検査薬を買ってきたのよ・・・。すると・・・陽性・・・。雅和さんはいつも避妊していてくれたから出来るはずない・・・。ということはあの時勢いで清原さんとしてしまったとき?うそ!あの時だけだもん避妊してなかったのは・・・。どうしよう!雅和さんにも相談できないし、パパなんかに言ったら殺されるわ!清原さんは?でも迷惑かけたくないし・・・。もう一人で処分するしかないかな・・・。でも未成年だから・・・。でもひとまず病院へ行ったの。


「妊娠してますね・・・。」


先生のこの一言がショックでたまらなかった。


「相手の人は知ってるの?あなたまだ高校生でしょ。ご両親は?」

「知りません・・・。」


先生は超音波の写真を見せながらいったの。


「ここに袋があるでしょ。これは赤ちゃんが入っている袋なの。でもあなたの週数では赤ちゃんの姿が見えてもいいんだけど・・・。見えないのよね・・・・。もしかして隠れて見えないのかもしれないから、来週もう一度来てください。」

「はい・・・。」


ああ妊娠確定的・・・。やっぱり清原さんに相談するしかないのかな・・・。おなかの子のパパは清原さんだし・・・。赤ちゃんには悪いけどあたし清原さんの子を産めない!来週もう一度病院行ってから決めよう・・・。


すると明日検診って言う日にすごくおなかが痛くなって、学校休んで横になってたの・・・・。すると出血!いつもの生理よりすごく多い・・・。あたしは慌てて病院に駆け込んだ。


「流産ですね・・・。見た感じすべて流れたんでしょう・・・。痛み止めを出しますから、三日後にまた来てください。もし赤ちゃんが残っているようでしたら手術が必要ですが、週数が少なかったのでたぶん大丈夫でしょう。出血が治まるまでお風呂は控えてください。」


流産か・・・・。嬉しいような悲しいような・・・複雑な気持ち。安静支持も出たので次の診察まで休んでじっとしていた。パパは心配してたけど、流産したって言えないでしょ・・・。それも雅和さんの子じゃなくって清原さんの子だもん・・・。あたしすごい罪悪感・・・。誰もこのこと知らないから、あたしだけの秘密にするけど・・・・。


なんとか手術はなく、出血も止まって、通常の生活が出来るようになった。パパも雅和さんも生理のひどいやつと思ってくれてるよう・・・。産婦人科行った事がばれても、生理痛でいったって言うしかないな・・・。


もうこれは一生の秘密ごと!大変な過ち・・・。




綾乃ちゃん、いくら勢いとはいえ・・・。やってくれましたね・・・。今までずっと綾乃を慕い続けていた清原君。たった1回の関係がこのようなことになっているなんて知りません。もちろん雅和も、これから先ずっと綾乃と清原の一度きりの関係は知らないままです。もちろん綾乃が清原の子を少しの間だけでも身籠ったことなんて・・・。でも流産したことは将来雅和と綾乃が結婚して子供が出来た時にばれちゃいますが・・・・。それは後ほど・・・まだまだ先の話ですから・・・。