自作小説の挿絵~康仁帝(後宇治院)三の姫宮 小夜子内親王
自作小説「縁~えにし」の主人公 和気小夜(本名:康仁帝(後宇治院)三の姫宮 小夜子内親王)です。
実は狂気の帝、康仁帝と皇后源彩子(後の典薬頭和気泰明の正室)の三の姫宮。この子を身籠ったまま彩子は典薬寮頭であり幼馴染の想い人和気泰明と再婚します。もちろん和気泰明は康仁帝の子を身籠っていることを承知の上の再婚。
8年間小夜は和気泰明の第3子、和気小夜として何不自由なく育ちます。
父である、正四位下参議、和気泰明のお使いで薬草を持って宇治のある邸に行きます。
そこで後宇治院に出会います。この後宇治院は、小夜の母、彩子の前の旦那様。いろいろ悪い噂ばかりのこの院・・・。でもいろいろ話しているうちに世間の噂とは違う何かを感じます。
この院のお妃様にご招待されたときに小夜は庭で迷い、院に助けられます。気を失った小夜はそのまま院の寝所で朝を迎えます。
「きゃ~~~~~~~~~~!!!!!」
小夜はこの院に何かされたのではないかと勘違いし、院を力まかせにひっぱたきます。もちろんこれは誤解・・・。ただ院は自分の姫宮ではないかと思い、可愛さのあまり、小夜の寝顔を見ながら眠っただけなのでした。
院は小夜を下賀茂の和気邸に送ることにします。そのついでに絶縁状態の父院、後二条院に面会を求めようとするも、断られる。後二条院と仲のよい小夜は2人の橋渡しをします。もちろん小夜のおかげで2人は仲直りをします。
小夜は異父兄妹(本当は実の兄妹)の良仁帝の元服式になぜか招待されます。そして告げられた誕生の秘密。小夜はなんとなく感づいていたからか驚かなかったのです。
元服式の前に小夜の内親王院宣。これをもって和気小夜から先帝三の姫宮 小夜子三品内親王となりました。もちろんこれは小夜の将来のためを思ってのこと。和気小夜のままでは決していい家には嫁げません。内親王であれば、きっといい縁談があるからです。
問題はどちらで縁談がまとまるまで過ごすかということ。小夜は和気邸のある下賀茂も、実の父後宇治院の住む宇治も大好き。結局交互に行き交うことにしたのです。
和気邸では子供らしい生活をし、一方宇治では姫君らしい教養を学ぶという二重生活。決して小夜は嫌な事ではなく、充実した生活を過ごします。
4年後、ついに裳着。その年のある節会で出会った、父後宇治院の従兄弟で、小夜より三歳年上の従五位下侍従であり四品親王輝仁と婚約し、幸せな生活をするのです。